【かいねこ】鳥籠姫
「あれ?珍しい、どっか出掛けるのか?」
アッサムの言葉に、玉露はしっしっと手を振って、
「帰れ」
「お前、俺に対してだけ態度が酷すぎないか?」
「カイトさんを迎えに行くんです!マスターが、カイトさんを引き取ってくれることになったんです!!」
「いろは、黙ってなさい」
玉露がうんざりした顔で言うと、いろはは慌てて自分の口を手で塞ぐ。
「カイトって、あの人形?へー。お前、人形ばっかり手に入れてどうすんの?また魔道士の修行させんの?」
「させるか。半人前は、いろはだけで十分だ」
「へー」
「ついてくるな」
しっしっと追い払われ、アッサムは苦笑して、
「いーじゃん。俺も、その人形に会ってみたいし。邪魔しないからさー」
「お前は、存在が邪魔だ」
「ちょ!ひでぇ!!」
結局、アッサムもついてくることになり、三人はディンブラの屋敷に向かった。