【かいねこ】鳥籠姫
そう言って、鍵束を取り出すと、鳥かごの扉に手を添える。
鍵を差し込もうとした瞬間、ディンブラがぎょっとしたように立ちすくんだ。
「キャンディ・・・・・・?」
ゆっくりと振り向き、自分の脇腹に差し込まれたナイフと、柄をしっかりと握りしめているキャンディの顔を交互に見る。
キャンディが手を離すと、ディンブラの体がぐにゃりと崩れた。
「きゃあああああああああああああああああ!!!」
室内に、いろはの悲鳴が響く。
玉露がキャンディを取り押さえたようとした瞬間、
「うわああ!?な、何!?」
「なっ!?馬鹿!!」
動転したアッサムにしがみつかれ、体勢を崩した。
「やだ!!離して!!」
「いろはさん!!」
いろはとカイトの叫び声が上がる中、キャンディはいろはを羽交い締めにして、
「次の満月の晩、カイトと交換よ」
「やだ!!マスター!!カイトさん!!」
背後に浮かび上がった魔法陣の中へと、二人の姿は消えてしまう。