二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

【かいねこ】鳥籠姫

INDEX|30ページ/32ページ|

次のページ前のページ
 

「いろはさん!!」
「んん!?」

カイトは台の上に寝かされていろはに飛びつき、その体を引きずり下ろす。
キャンディは、放心した様子でヘたり込むと、玉露を見上げた。

「どうして」

掠れた声に、玉露は溜息をついて、

「・・・・・・素人が。召還を伴う儀式でもっとも注意すべきは、魔界への通路を開く時だ。どれだけ遮断しようと、この時だけは、魔力の流れが生まれる。それだけは防ぎようがない。だからこそ、魔道士は秘密利に儀式を執り行うんだ」

じろりと、キャンディを睨みつける。

「通路が開く瞬間、こちらから干渉させてもらった。魔道に関しては、俺の方が上なんでね」

その時、異形の魔物が不明瞭な音を発し、玉露が同じ様な音を返す。
玉露はキャンディへと視線を戻し、ふと表情を曇らせた。

「命が残っただけ、ありがたいと思えよ。生きていれば、いつか目覚める時がくるかもな」

キャンディが口を開きかけるが、言葉を発するより早く、彼女の体が崩れ落ちる。
玉露はキャンディに背を向け、魔物に向かって音を発した。
魔物は微かに身を震わせると、かき消すように姿が見えなくなる。
ふうっと息を吐いて、玉露は振り向くと、

「いつまでそうしてるつもりだ。帰るぞ」

いろはの戒めを解こうと、悪戦苦闘しているカイトに声をかけた。

作品名:【かいねこ】鳥籠姫 作家名:シャオ