NO.6集
だってとりあえずは、こうだよね?(ネタ・紫ネズ)
「あれ?うわっ!」
紫苑の素っ頓狂な声が聞こえてネズミは目が覚めた。
「・・・何・・・。」
「あ、おはよう、ネズミっ。」
「おは・・・て、いやいやいや、何爽やかに挨拶してるんですかね、陛下・・・。さっきのありえなさげな声で俺は目が覚めたっていうのに・・・。」
朝っぱらから何やらあったのか、という声で起こされたというのに、とてつもなく爽やかでにこやかに挨拶され、呆れたようにネズミは言い、むっくりと起きあがった。
隣を見れば紫苑も起きあがってベッドに座っている。
「ああ、うん、あのさ、僕、女の子になっちゃったみたいっ。」
テヘっという擬音すら聞こえてきそうな勢いで紫苑が言った。
ネズミはポカンと口を開けたままその場で固まり10秒後。
「え?」
ようやくそれだけが発せられた。
「だからー、なんかさ、いつもなら目覚めた瞬間隣にネズミがいるってだけで朝っぱらから元気なものの存在が感じられないからね、おかしいなとは思ったんだけど」
「いやいやいや、そこからしておかしいぞ。」
「で、ちょっと触ってみようと思ったらなくてねー。」
「て、何その鉛筆失くした、くらいの軽さ!?」
「で、代わりにネズミを思って腫れてしまったのかと思われるようなものが上に。」
「・・・さっきから色々表現に問題があるぞ・・・、・・・って、ええ?ちょ、ほんとなのかよ!?」
「うん、見る?」
「いや、遠慮させて下さい。」
えー、と不満そうな紫苑。
てゆうかホント何その軽さ・・・?
「普通さ・・・、もっと、こう、嘆いたり不思議がったり・・・」
「ん?ああ、うん、びっくりはしたよ。でもちょっと面白いよね?後で血をとって調べてみようとは思ったよ。」
もういやだ、この研究者肌。
「でもせっかくこっちになったんなら、どうせならこっちの楽しみも味わってみたいよね?」
「・・・は?」
「とりあえず一人でしてみようかと思ったけど、どうせならネズミもいるしねー。たまには攻められるのもクるよね?」
「・・・え?」
「だから、どうぞよろしくお願いしますっ。」
紫苑はベッドの上でいきなり正座し、頭を下げて三つ指をつきだした。
とりあえず、足蹴にしてやりました。