人魚
室内履きを履いてどこかに行った後、なぜか一度脱いでしまうらしく、そのままその場に待機させること―――数揃え分。
傷に染みるから湯は使うなと言っても汗臭いからいやだとごねにごね、とうとう反対を押し切ってシャワーを使おうとしたところで、痛みに大騒ぎ。挙句の果てに、結局、エドワードが体を拭いてやるはめになったのだからたまらない。…三助をしてやったことについては、エドワードこそ記憶を喪ってしまいたいくらいだった。
…今まで自分も相当だと思っていたのだが、やはり世の中は広い。上には上が―――、というより、下には下がいたということか。
あまり嬉しくない発見、ふたつめ(というかもはや数えられないが)。
まあ、そういったわけで、初日からエドワードは疲れ果てていた。このままでは、ロイの記憶が戻る前に自分が倒れてしまいそうだ、と思った。