二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

新 三匹の子豚Ⅲ

INDEX|14ページ/20ページ|

次のページ前のページ
 


「おらも行くぞ。お袋を殺したのが奴なのかどうか、きっちり自分の耳で聞かなきゃならねえ。そうだろ?」

 ウーは少しの間躊躇していましたが、ダメだと言ってもきっと二人とも聞かないだろうと思ったので、渋々承知しました。

 ウーを筆頭に三匹は並んで歩いて行きました。そして三日月のトラから五メートルくらい手前で足を止めました。
 だってあんまり近づいて、いきなり飛びかかって来られたら一巻の終わりですもんね。それに三匹だって本当は怖いんです。
 だから自然に、誰が言ったわけでもないのに揃って足を止めてしまったのです。

 しばらくその場にじっと立ったまま、トラの様子を見ておりました。
 そんな三匹を、村のみんなは後方の木の陰から不安気に見守っています。

 少しすると、トラがうーんと身体を伸ばしました。
 いよいよ目覚めるのか――そう思った三匹の顔に緊張が走りました。
 もし三日月のトラがいきなり駆け出してこちらに向かって来たら、とても逃げおうせそうにはありません。 

 無意識にも僅かに身体が震えてくるのを感じていました。そんな時です。
 三日月のトラが、重そうに頭を上げてこちらを見たのです。
 その首には、トンコ婆さんの大切にしていた真珠のネックレスが嵌っています。少し苦しそうに見えるほど、それは首の付け根に食い込んでいました。

「なんだお前ら……」
 トラが野太い声を発しました。
「俺さまに何か用か」
 そう言うと三匹をギロッと睨みました。

 思わず三匹はごくりと唾を飲み込んだまま、返事ができないでいました。しかしいつまでも黙っているわけにはいきません。

 意を決してウーが話し掛けました。もちろんトラを怒らせないように慎重に言葉を選んで――。

「三日月のトラさん、おやすみのところを邪魔してごめんなさい。実はちょっとお尋ねしたいことがあるんですが……」
「うん? 俺様に聞きたいこと? 一体なんだ」

「それがそのう……トラさんが首につけてるネックレスのことなんですが……」
「ああ、この真珠のネックレスのことか。これがどうした?」

作品名:新 三匹の子豚Ⅲ 作家名:ゆうか♪