新 三匹の子豚Ⅲ
さて、翌日から早速犯人捜しの開始です。
とは言うものの、毎日の畑仕事をしないわけにはいかないから、三匹はいつもよりずっと早くに起きて、畑の世話を済ませてから森へと向かいました。
犯人を捜す手掛かりは、トンコ婆さんの大切にしていた真珠のネックレスしかありません。
どこかにそれが落ちてないか、目を皿のようにして見ながら歩きます。そうしながらも、どこかに真珠のネックレスを着けた者がいないか、草むらの中や木の上にも目を凝らします。
朝から暗くなる寸前まで、三匹は手分けして探しましたが、その日は結局何の収穫もありませんでした。
仕方なく三匹は家に帰ることにしました。
空にはお月様とお星様が、チカチカと黄色い光を投げかけています。
「お月さまにもお願いしようよ」
突然思いついたようにブーが言いました。
「そうだね。そうしよう」
三匹は顔を上げ、手を合わせると、お空のお月さまにお願いしました。
「お月さまお願いです。どうかトンコ婆さんを殺した犯人が早く見つかりますように――」
それから三匹は、急いで歩いて家に帰ると、その日はすっかり疲れてしまって、ぐっすりと眠りました。
翌日も同じように早起きをして、また三匹は森へ出かけました。
しかし、やはり何も見つかりません。そんな日がそれから何日も続きました。
「もう、犯人はどこか遠くへ行ってしまったのかも知れないなあ」
いつものように暗くなり始めた帰り道、ブーが疲れきったように言いました。
「うん、その可能性もあるよなあ」
フーも言いました。
「そうかも知れない。でも僕は諦めないよ」
ウーが力強く言いました。
ブーとフーは、ウーのその言葉を聞いて少し考え込んでるようでしたが、やがてブーが、噛みしめるように言いました。
「そうだな。もう少し頑張ってみよう」
それを聞いてフーも頷きました。
「兄さんたち、ありがとう」
ウーはつくづくと兄さんたちに感謝しました。
そして、その次の日のことです。