BOKORI TITLE 10
09:抵抗する
エーブイだ。沢田は思う。マフィアのボスで誰からも恐れられる人間が、いいように手篭められる。このシチュエーションはエーブイあるいはポルノだろう。
なあ、そうなんじゃあないのかい、ヒバリさん。
沢田は己に荒々しくのし掛かる男に無言で問う。
あんたにとってオレはリアルエーブイみたいなもんだと認識していないかい?いやですだめですいけません。演技の抵抗だとおもいではない?
ならば、それも今日までだ。
明日古めかしくいうならば戴冠式を迎える男はひそかに笑う。
こんなのは今日限り。明日からはもう、好きになんてさせてやらない。
作品名:BOKORI TITLE 10 作家名:夕凪