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きょうも、あしたも、そのさきも、きみと

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「てめェ、何を………」

ゾロは、呆気にとられたような顔でサンジを見つめ、言葉を詰まらせた。ちらりとゾロの顔を伺い見たサンジは、当然の反応だなと、泣き顔のままでふっと笑った。馬鹿なこと言って悪かった、頭に血が上ったせいだどうかしてた、とそう言って軽く流したいのに、どういうわけか声がでない。早く早くとサンジが格闘している間に、ゾロが言葉を続けた。

「てめェは何でそんなにおれが…おれの野望が大事なんだ」
「………………………」

何か言いたいのに、サンジの口からはまだ声が出なかった。ずびずびと鼻をすする音だけが響く。サンジからの返答がなくても、ゾロは構わず話を続けた。

「さっきからてめェ、おれなんかを庇いやがって、って何度も言ってるよな。てめェはおれの代わりに死にたかったのか」
「………………………」
「死にてェわけじゃねェんだろう。死にたくはねェが、おれを生かすためなら自分が死んでも構わねェと、そう思ったんじゃねェのか」
「……………………」
「てめェは何故そんなにおれが、おれの野望が大事だ。おれを生かしてェんだ。理由を言え」

何故だと?そんなの決まってるじゃねェか、とサンジは心中で叫んだ。

「てめェのことがっ…!!!好きだからだよっ…!!!」

いつの間にか嗚咽は止まっていて、威勢よく飛び出した自分の声に、サンジは心臓が止まりそうなほど驚いた。驚いたはずみで顔を覆っていた手も下ろしてしまい、ゾロとまともに視線がぶつかる。その瞬間、ゾロは柔らかく微笑んで、そうか、と一言呟いた。と同時に、ベッドにドサッと倒れこむ。

「お、おい…!」

サンジが慌ててゾロの顔を覗き込むと、ゾロはサンジの手をぎゅっと掴んだ。

「同じだとしたら?」
「…は?」

唐突なゾロの言葉に、サンジはついていけず首を傾げる。

「おれがてめェを庇った理由」
「な、何………」
「てめェと同じだとしたら?」
「………え」

何言ってるんだこいつ、とサンジは混乱した。展開についていけない。おれをからかっているんだろうかと、サンジはゾロをまじまじと見つめた。何を言ったらいいのかわからない。口をパクパクさせていると、ゾロがもう一度手をぎゅっと握って口を開いた。

「てめェさっき、おれにもっと自分を大事にしろって言ったよな。そりゃおれの台詞だ」
「何だと………?」
「てめェだっていつも大怪我してるんじゃねェのか」
「何だとてめェ…!」
「誰かを庇って」
「っ………!」

ゾロはサンジの目をまっすぐ見つめた。真剣な眼差しに、サンジは思わず声が出なくなる。

「てめェが大怪我するときは誰かのためだろ。てめェは自分を犠牲にしていつも誰かを守ってる。結構なことだとは思うがな、じゃあ、誰がてめェを守ってくれるんだ?」
「おれは…!別に守られなくたって…!」
「だから守った」
「………?」
「てめェが自分を守らねえから、だから、守った。毎度毎度危なっかしくて見ていられねェのはおれも同じだ。大事だから………好きだから、守りてェんだ。お前にゃよくわかるだろ」
「このっ………クソ野郎………!」

止まったはずの涙がまた勢いよく溢れだして、サンジはゾロの容体にも構わず勢いよくゾロの胸に飛び込んだ。ゾロは気絶しそうな痛みに息を詰まらせながらも、サンジの背中をあやすように撫でる。
いまだにこれが現実だと実感できず不安を感じていたサンジだったが、ゾロの、発熱のせいで熱すぎるくらいの体温に包まれて、ようやく本来の落ち着きを取り戻した。