Day After Tomorrow
「ええ、だいたいは開店から閉店までいますので、いつでもいらっしゃって下さい。朝のモーニングも昼のランチもおいしいですよ。ただし夜のディナーはお早めに。残念ながら、ここは閉店は早く夜の7時です。だってここは―――」
「食堂ですものねっ!」
彼女は噴出した。
「まさかこんなありきたりのこんな小さな食堂で、ロンドンの目抜き通りでもめったにお目にかかれないほどの美形と遭遇するなんて思わなかったわ。ものすごい発見よ!」
彼女はくったくもなく笑い転げた。
「それはどうも」
ドラコは曖昧な顔をして笑う。
「なぜ目抜き通りの有名レストランのボーイにでも就職しなかったの?あなたならチップもかなりの収入になるわよ」
「ええ……と、実は就職はしましたが1日でクビなりました。笑顔ができなくて」
「それでクビ?!で、そのほかには?」
「一通りはいろいろ挑戦したのですが、生まれが大貴族だったので不器用でみんなクビです」
「あらあら―――」
彼女は大爆笑だ。
「おもしろいわ!おもしろすぎる人生ね!いろいろ聞きたいことが山ほどあるわ。またここへ来るわ、お坊ちゃまのドラコ」
「ええ、またいらっしゃって下さい。ゴージャスなメリー」
ドラコは笑って気軽に答えた。
そしてドラコは新しく入ってきたお客のオーダーを取りに銀のお盆を持つと、次のテーブルへと歩いていったのだった。
作品名:Day After Tomorrow 作家名:sabure