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郷田三郎(G3)
郷田三郎(G3)
novelistID. 29622
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神々と悪魔の宴 ③<望みを言え!>

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 酷い目にも何度も遭った。
 山の案内を頼んだ村人が実は山賊の集団で、身包みはがされて命からがら逃げ出したり、伝説を求めた航海でも海賊に襲われ、ぐるぐる巻きにされて海に放り込まれたりした。

 又、ジャングルの奥地では、出会った人々が裸族で、仲間となったしるしに身包みはがされて踊らされた事もあった。
 あるいは政治力を頼もうと近づいた男が、実はバリバリの族議員で、利権を護る為のスケープゴートにされそうになったりもした。

 聖職者は震える手で仏像の片目に手を伸ばす。

 崩れかけた仏像の目は意外なほどあっさりと抜き取る事が出来た。
 球の中には金色の四つの星が輝いている。

 聖職者はその星を見つめ、又天を仰ぎ涙した。
「おお、神よ!私は貴方との約束を今こそ、今こそ果たす事が出来ますぞっ!」

 そして、聖職者は懐に忍ばせた残り六つの水晶球を取り出し一つにまとめた。


 すると、どうした事か?
 たった今まで晴れ渡っていた空を黒い雲が覆い尽くし、雷鳴が轟いたかと思うと緑色に輝く鱗を持った体長数百メートルも有ろうかという「神龍」が雷光と共に現われたのだ!

「わたしを呼び出したのはお前か!?」
 岩をも砕かんばかりの威つ声が響き渡った。

「はい! わたくしでございます!」
 聖職者は信じて追い求めてきた者にも俄かには信じられぬその光景に恐れ慄きながらも力いっぱい応えた。