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郷田三郎(G3)
郷田三郎(G3)
novelistID. 29622
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神々と悪魔の宴 ③<望みを言え!>

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「そうか! 苦しい道のりであったな。さあ、望みを言え!何でもよい、一つだけ叶えてやろう!!」

 その頭は動かぬのに、神龍の永遠とも見える身体はめまぐるしく天空を駆けている。

『人類に争いの無い平和な未来を!!』

 そう云うはずであった。
 旅の間中、望んだ事はそれだけであった。

 だがここへ来て、この奇跡を目の前にして、聖職者は更に良い願いを思いついたのだ。

「この地球上から全ての戦争を無くし、生きとし生ける物全てに平和な未来が訪れますようにぃ!!」
 なんという慈愛に満ちた志しであろうか!? 聖職者とはまさに彼の事であった。

 だが、神龍はすぐには応えなかった。
 望みはあまりにも困難だったのだろうか?
 暫く目を閉じた後、カッと見開いた神龍は又もやあの威つ声を発した。

「よかろう! おまえの望み叶えてやろう!」
 そう云うと神龍の身体から発せられたまばゆい光が全世界に拡がって行き地球を包んだ。

 やがて光が消えると神龍はしずかに聖職者を見、そして云った。
「おまえののぞみは叶えられた。知っていようがこれより七つの球は世界中に飛び散り再び集める事はおまえには叶わぬ――」