ミニ☆ドラ
栄養失調気味の細い指先は節くれだって、小さな傷があちこちに付いている。
それを見ただけで 今までのハリーの苦労が分り、ドラコはたまらなくなった。
どうしようもなく涙があふれてきた。
うつむいた瞳から滴がポタポタと落ちてくる。
――――きっとハリーは自分が同情されるなんて分ったら、絶対にイヤがるだろう。
こんなちっぽけな自分が彼のことを思って泣いていたら、『バカにするな』と怒るかもしれない。
ドラコは彼に顔が見えないように背を丸めて、肩が震えないように我慢して、声を押し殺して泣いた。
自分のほうが断然小さいというのに、それでも ドラコはハリーを守りたかった。
どんなことをしても彼を守りたい。
(……ハリー……。ハリー……)
声もなく ドラコは心の中で彼の名を呼び続けた。
――どんよりと曇った空から舞うように雪が降り始める。
外気は寒く、吐く息は真っ白だ。
吹き付けてくる風も凍るほど冷たい。
だけど二人はそのまま無言で湖を見つめたまま、ベンチから動こうとはしなかった。