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風丸受けまとめ

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*円風


初日の出を見よう、と約束して、よいお年を!と言い合い手を振って別れた。どうせ数時間後には会うのに、変な感じ。そう思い笑った。

紅白歌合戦を見ながら年越しそばを食べて、ゆく年くる年を見て年を越す。
お酒を飲む大人達と一緒に起きていたい誘惑に釣られるも、この後の事を考えてやっぱり寝る事にした。
ベッドに入って目覚ましをセットして目を閉じ、もう一度目を開けると、目覚ましが鳴っていた。


辺りはまだ薄暗く、街灯が点々と道を照らす。
待ち合わせ場所ではすでに風丸が立っていた。
「明けましておめでとう!」
「円堂、明けましておめでとう。」
今年もよろしくな。
つい数時間前と同じように挨拶を交わしあう。それだけなのに急に年を越したという実感が湧いてくるから不思議だ。
「? 何笑ってるんだ?」
「いや、何でもないよ。行こう。」
手を差し出すと、風丸はちょっと驚いてからキョロキョロ辺りを見回して、それから躊躇いがちに俺の手を取った。
「円堂の手、あったかい。」
「風丸の手は冷たいなー。」
「ごめん、寒かったら…」
手を退きかけた風丸を、ごと引っ張ってぎゅっと抱きしめた。風丸の体は少し冷えていたけど、すぐにじんわりお互いの熱で温まってきた。
「こうしてたらお互いあったかいよな!」
「これだと進めないだろ。」
風丸が呆れたように言ってため息をつく。その息が白く上り消える。
「初日の出を見るんだろ、だったら見通しのいいとこ行かないと…」
「うーん、もうちょっとこのまま…」、
「…まあ良いけど。」
そう言って風丸も俺の背中に腕を回す。
正直初日の出なんていいから風丸とずっとこうしていたいなあ。
と言ったら風丸に、何のために早起きしたんだ、と笑われた。



次の年もその次もずっとずっと先も、こうやって、一緒に笑い合えますように。
鉄塔広場で登る太陽を眺め、嬉しそうに笑う風丸の隣で、そんな事を願った。



作品名:風丸受けまとめ 作家名:はるた