風丸受けまとめ
*吹風
「どうして俺なんだ」
いくらアピールしても気づいてくれない、鈍感さに限界が来て好きだと言ってしまった。そして固唾を飲んで返事を待つ僕に風丸はそう言った。
「何も俺じゃなくても、他に…いっぱいいるだろ、吹雪…」
困ったように眉尻を下げる。しかしその頬は微かに桃色が混じっていた。
その様子に、気づかれないようにホッと息をつく。嫌がっているわけではないようだ。
だったら押し切ってしまおうか。そんなよこしまな思いが脳裏を過ぎった。
つと、その頬に指を滑らせると、ビクリと肩が動く。まだ産毛の残る肌はさらりとして心地好い。
「好きになるのに理屈がいるの?」
僕の言葉に、暫く泳いでいた瞳がこちらに向いた。
「僕は風丸だから好きになったんだ。」
言うやいなやその唇を奪った。抵抗が無いのを良いことにもっと深く口づけようと体を近づけると、唐突に肩を押されて引き離された。
口を押さえて俯く風丸に、心配になって聞く。
「嫌だった?」
「…嫌じゃなかったから問題なんだ!」
そう言った風丸の顔はやっぱり真っ赤で、僕はたまらなく愛しくなってもう一度口づけをした。