着ぐるみの着心地はいかが?ロイエド編 前編
わくわくドキドキの日曜日がやってきた。
目をさまし、
かけていた目覚ましをオフにして起き上がるとすでに目の前にエドが居た。
「・・・・え?」
「ロイおはようv」
まさか、自分は寝坊してしまったのだろうか?
何故エドはここに居る?
確かにエドとは家は隣同士だが、造りが違う。
帰りは俺の部屋の窓からエドの家のベランダに飛び降りられるが、
行きはいくら運動神経が良いエドでも飛び込むことは出来ないので玄関からとなる。
そのはずなのだが、エドは今ここに居る。
「どうやって入ってきたんだ?」
「少し前に自慢の弟がはしごをくれた。使ってみたv」
「・・・・・・そうか。」
「そんなことより早く行くぞv」
「ん?」
「バイトだよバイト!! 夢を売る仕事!!」
バイトの内容をちゃんと説明しようと試みたが、
エドのあまりにもキラキラ輝く瞳に見つめられると不覚にも躊躇ってしまった。
だが、エドの思っているようなバイトでは無い。
それだけは伝えようと思ったのが…
エドが早く着替えないと俺が脱がせるなんて爆弾発言を投下した。
それはさすがにまずいので、俺は急いで支度に取り掛かった。
「よし、じゃあ行くぞv」
「あぁ分かった分かった。」
「で…何処行けばいいんだ?」
「・・・・」
あんだけ気合十分いくぜよっしゃ!!な状態だったにもかかわらず、
エドは目的地に関する情報が0だった。
まぁそれもそのはず、ハボックがわざと教えなかったのだ。
「…こっちだ。」
「なんか、楽しいな。」
面倒ではある。
それにもともと今日はデートの予定だった。
そのせいもあり、少し落ち込んでいたのだが、
エドが楽しんでいる、それならばこんなのもまぁ悪くないかと思い始めていた。
作品名:着ぐるみの着心地はいかが?ロイエド編 前編 作家名:おこた