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虹の作り方

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「デスマスク。きっと、おまえが悪いんだろうとは思う。だが、いくら何でもこれはやりすぎだ。ちゃんと教育しておかないと、後々とんでもないことになるぞ?おい、シャカ!こっちに来い。何があった?どうしてこんなことをした?不貞腐れた顔をしてないでちゃんと答えろ」
「まぁまぁ、シュラ、俺が悪いんだって」
「甘やかすのは良くない。悪いことをした時はちゃんと叱らないと―――」
「あー、シャカ。おまえ先に宮に戻ってな。あとで持ってくから」
 ひらひらと手をシャカに振って退散させたデスマスクに食って掛かるが、当のデスマスクは聞いちゃいないどころか、イソイソとキッチンに向かおうとする。首根っこを掴まえれば、「んぎゃっ!」と猫のシッポでも踏んだかのような声を上げた。
「〜〜〜っ!?なんだよぅ、シュラ」
「なんだよじゃないだろ!?おまえ、ほんっと、行動の意味わっかんないんだけど!?」
「おまえまで怒んなよ〜、面倒はナシ」
 カチャカチャと何やら道具を出して、砂糖やら牛乳やらを計測してはボールに入れ、カシャカシャと泡立てる。
「シュラ、これ、まかすわ」
「ん、オッケー・・・じゃなくて!」
「あーあれ、どこやったっけかな・・・んしょ」
 がさごそと戸棚を漁るデスマスク。
 もういい・・・。こいつ、絶対、俺の話、聞く気がない。うん、よくわかった。額に青筋を立てつつ、諦めた俺は無駄に泡立て作業に力を込めるのだった。


作品名:虹の作り方 作家名:千珠