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【ヘタリア】 【悪友トリオ】 「すずらんの花を君に」

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一方、ナースを口説いている間に、検査係りに探し当てられたアントーニョは、大人しく検査されることにした。

「いや、なんでもあらへんのです。連れが、ちょっと心配しよりましてなあ。えろう、すんません。お手間おかけしよって・・・。いえ、どっこも悪くあらへん・・・。いえ、健康そのもの・・」


この検査代も、フランシスにつけておこうとアントーニョは思った。
まあ、健康診断だと思えばいい。
それにしては、値段がえらいことになっているが・・・。


検査を終えて、着替えようとしているアントーニョのもとにギルベルトが戻ってきた。

「よお。検査終わったか?フランシスに会ったか?」
「うん。一応、奴がトイレ行った時に会ったけど。思ったよりも怪我ひどいねんな。動かしたらあかん言われとったで。」
「へ!!抜け出したいっつったのはフランシスだぜ!そんなん知るかよ!」
「まあ、そうやな。ああ、俺、すっかり気分ようなったで!飛行機でもメトロでも気持ち悪うて、何も食えへんかったから腹減ったわあ・・・。なんか食う?ギルちゃんも。」
「ん、そういや、俺も列車んなかで、ちょっとつまんだだけだな・・・・・。」
「ところで、あと3時間くらいで面接時間終わるけど、どないするの?どうやってフラン脱走させるん?」
「まず、あの上司だな。SPが4人も張り付いてやがる・・・。あいつらを病室に入れねえようにして・・・・。それから・・・・。」


「で、なんで俺の飯を食われてんの?」

病室で、フランシスがうめいた。

「うるせー。俺もトーニョも準備してて、飯食ってなかったんだよ!お前は寝てただけだろ?腹へらねえんだからいいじゃねえか!」
「お!これいけるな。病院食とは思えんわ。」

「お兄さん、今は何も言わない!!言わないから、どうか脱走させて!!」

心の底で、さっき休んでおいて正解だったと思いながらフランシスが声をひそめて言う。

「で?車の手配出来た?いつここ、抜け出すの?」
「あー。車は手配してねえ。列車で行く。」
「列車ぁ?」

アントーニョとフランシスが同時に叫ぶ。

「列車って・・じゃあ、乗り場まで歩くの?!ディジョン行きの列車はリヨン駅なのよ!あそこにはすぐ横に経済産業省のビルとかあって・・・上司に見つかったらどうするの?!」
「大丈夫だ。今夜は、おめえの上司はおめえがいねえことには気づかない。忙しいからな。」
「なんやなんや!一体何をしでかすん?」
「別に何もしねえ。ただ、お前の上司に「奥さんが浮気してます、新聞に載せますが、嫌なら記事をいくらで買ってくれますか」って電話しといた。」
「ギルちゃん・・・そりゃ、無理やろ・・・。そんなん、のってくるような」
「いや、それなら大丈夫!!のってくる!上司、今夜来ないわ!万歳!」
「えっ?そないなことで・・・?」
「一応、心配なんだろ。あのど淫乱の奥さんがさ。」
「そういわないで・・・。」
「おめえんちの女は、みんな肉食系だもんな。夫がいようと恋人がいようと、関係ねえ。節操ねえが、さすがに大統領夫人がそれじゃあな。」
「・・・・関係ないのよ・・・・。夫が大統領だろうがF1レーサーだろうが・・!!だってここは自由の国、恋愛大国フランスなのよ!」
「貞節・節操・モラルなし大国じゃねえか。一年中、さかってやがる。お前らラテン国家は恋だの愛だの浮かれすぎだ!ちっとは仕事しろ!でねえとヴェストの負担が半端ねえ!」
「えーーー!!恋はいつでもするものなのよ。」
「そやで。恋はいいでー。心がうきうきして、楽しなる。」
「お前らはと・に・か・く、仕・事・し・ろ!!」

そんなこんなで、脱走の準備が整った。
面接時間が過ぎて、消灯時間がきた。

「それじゃあお休みなさい。フランシスさん。今日は大統領が来なくてよかったですねえ。」
「ほんとに!これでちょっとは休めるよ!お休みーーー!モナムール!!」


消灯してしばらくして、フランシスがトイレに入る。

そこにはギルベルトが待っていて、窓から彼をつるした・・・・・・・・。

「んぎゃーーーー!って叫びたかったのよ!!俺!!がまんしたのよ!!」
「騒ぐな!もう消灯時間なんだ!」

一番下の階ではアントーニョが待っていて、空中につるされたフランシスを受け止めた。
足を動かせないフランシスを廊下の椅子に座らせると、ギルベルトが上の階から降りてきた。

「なあ、これからどうするねん?」
「ああ。とにかく着替えだ。パジャマだと目立つ。」
「何持ってきてくれたの?俺、足の包帯はずさないとズボン、入らないわ。」
「ああ。じゃあ、トーニョ。その包帯、ぎりぎりんとこまではずしてくれ。添え木はとるな。一応な。」
「わかった。フラン、そこの椅子座って。」

病院の中は消灯時間が来ていて暗い。一応あたりには誰もいないが、ギルベルトの目は周りを鋭く見回す。

「え?これスーツやん。他に着替えなかったん?」

ギルベルトがフランシスの部屋から取ってきた荷物を見て、アントーニョが驚いた。

「だから、ひげはスーツ着ろ。トーニョは今着てるスーツを脱ぐな。」
「え?なんでや?スーツやと動きにくいねん。」
「カモフラージュだからよ。そのまま、ひげを俺と両方からささえんだよ。」
「え?!車で行くんじゃないの!?」
「ばーか。車でなんかで行ったら、すぐに検問ひっかかるだろ。ストライキで通れねえ通りもあるしな。だいたいおめえんち、ストライキ、やりすぎだってえの!」
「ストはしょうがないのよ・・・・。だって、ストしないとみんな不満だらけで動かないんだもん。」
「で、ストのせいで、他のみんなが働けなくなるわけかよ!おめえんちは馬鹿か!」
「んなことよりも、フラン、歩けないんやで?俺らが支えてたら目立つんちゃう?」
「大丈夫。スーツ着て、酔っぱらってるフランシスを俺らが支えてるって感じで歩くんだよ。それで、列車に乗り込む。」
「列車!?」
「そう。列車だ。車よりも早えし、なによりも、列車に乗ってるとは思わねえだろ?けが人だし。」
「まあ、普通は車・・・かねえ?」
「まあ、まかせろって!だてに、長年シュタージとやりあってたわけじゃねえんだぜ。こういう時は、列車がいいんだ。」
「はあ・・・・なんでもいいのよ!見つからないで、パリ抜け出せたら!」
「とにかく、今は車いすに乗れ。お前抱えていくのは無理だ。レンタカーを借りてるからリヨン駅までいく。」
「レンタカー?足がつくんじゃ・・・。」
「タクシーだとどこへ行ったか運転手からばれる。レンタカーは便利なんだよ。返しまえば、その先はわからねえ。だからお前らを列車に載せたら、俺は市内に車返してくる。先に乗ってろ。」
「ギルちゃん!パリはストライキの前で道路がめっちゃ混んでるんやで!戻ってくるの、大変や!」
「だからパリじゃなくて、ディジョンで落ち合おうぜ。追いつくからよ。」

とりあえず3人は車に乗って、パリ市内のリヨン駅に行った。

「ねえ・・・・ここのレストランの食事代も俺なの?なんで?!そりゃ有名だけどさ・・ここ。」
「うるっせー。今からの列車だとまた軽食しかねえんだよ!ディジョンのホテルには深夜につくから飯なんて食えねえだろうが。」