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無未河 大智/TTjr
無未河 大智/TTjr
novelistID. 26082
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とある夢幻の複写能力<オールマイティ>

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「あ、そりゃ第五位もびっくりだわ」
なんて親子の会話を交わしている時だ
祐樹の部屋の扉がひとりでに開いた
言わずもがな中に人がいたのだろうが
「…おはようって、ミサカは眠い目を擦りながら挨拶してみたり」
大きな欠伸とともに出てきたのは番号無しだった
「もう十一時だ。昨日何してたんだよ」
「んーっと、遅くまでゲームしてたかもって、ミサカは昨日の行動を思い出してみる」
―何やってんだかこのガキは…
なんて事を思いつつ、叶の内では安堵している自分がいた
ばれなくてよかった、と考える自分が
「さて、今日の予定は?」
祐樹は二人に訊いた
いつものことだ
「俺は創立記念日とかいいながら風紀委員の仕事だよ」
「ミサカは暇かもって、ミサカは自分の予定がないことを宣言してみる」
「じゃあ叶、番号無しのことよろしくね」
叶は一瞬嫌そうな顔をして反論した
「いやいや、風紀委員の仕事だっつってんじゃん。こいつ連れていくと色々面倒でしょうが」
「風紀委員の支部に連れていけば問題ナッシングじゃん」
「どこがだよ!母さん、こいつ条約で禁止されている軍用クローンなんだぜこれでも!そんなもん風紀委員の支部に連れていけるかってんだよ!」
「あら、そうだったかしら。それは駄目ね…」
この母親、素で忘れていたんだろうか
実際そうなのだが
その時だった
「ん?電話…」
叶の携帯電話(最近スマホに変えた)に電話が入った
そのディスプレイには、『初春飾利』と表示されていた
叶は通話ボタンを押して電話に出た
「はい」
『あ、天岡さんですか?』
電話越しに甘ったるい声が聞こえてきた
「天岡の携帯にかけたなら天岡だ」
『そうですよね。すみません』
「で、用件はなんだ?」
叶は呆れた声で訊いた
「それがですね、今日は見回りの人間が足りないみたいで、天岡さんには外回りを頼みたいんですよ。あ、支部には見回りに出る前と帰る前にちょこっと顔出してくれるだけでいいので」
「…」
叶は声が出なかった
「…了解」
とりあえずそれだけ告げるとすぐに電話を切った
「「「…」」」
電話が終わった瞬間、その場を静寂が支配していた
「…番号無し、一緒に出るか」
ようやくひりだした言葉がそれだった
そしてすぐさま出る支度を始めた(といっても各種支給品をエナメルバッグに詰め込んで腕章を付けるだけだが)
その間にあるものを見つける
―『拡散支援半導体』に『屈折支援半導体』…
 ま、一応持って行くか
 そんなことないだろうが
そんなことを思いつつそのカード状の物の束をズボンの後ろポケットに突っ込んだ
「番号無し、行けるか?」
「大丈夫だよって、ミサカは親指を立ててみる!」
「じゃあ行ってくるわ。母さんも仕事頑張れ」
叶は、準備の終わった番号無しを連れて外に出て行った
「…愛穂の奴、今日に限って仕事休むなんて、どういう神経してんのよ…」
かくいう祐樹は閉まりつつある扉を眺めてそんなことをぼやいていた
その頃
「ねぇ叶、風紀委員の支部ってどこにあるの?って、ミサカはちょっと尋ねてみたり」
「そうだなぁ、結構歩くけど大丈夫か?」
「ミサカは大丈夫って、ミサカは自身満々に踏ん反り返ってみる!」
「なら安心だ」
そんな会話をしているうちに、エレベーターの扉が開いた
二人は降りようとするが、同時にあるものを見つける
「あっ」
「…チッ」
その目の前には、四人の人間がいた
一人は異常に肌の白い、白衣の女性
一人は巨乳にジャージの女性
一人は右手で杖をついた白髪(はくはつ)の少年(?)
そしてもう一人は空色のワンピースの上から男物のワイシャツを羽織った十歳くらいの少女だ
ちなみに舌打ちは白髪の少年が発したものだ
「…芳川さんに黄泉川さんに一方通行に打ち止めとは、また意外な面子だな…。主に黄泉川さんが」
そう
どういうわけかこの四人が叶達の目の前に立っていたのだ
「何気に失礼な事言うじゃーん、叶ー。一発絞めてやろうじゃん?」
「いや遠慮しときます」
そんなことになったら死んでしまう
いろんな意味で
それは置いといて
「一体どうしたんすか?」
叶は一番疑問に思っている事を訊いた
「おおー、あなたが最終信号?って、ミサカはにわかに信じがたい視線を送ってみる」
「お前こそ誰だーって、ミサカはミサカは自分と同じ顔に驚愕してみたり」
…全く同じ顔(違いは服装とアホ毛の有無のみ)の二人が色々面白そうな事を仕出かそうとしているのを無視しつつ
「実はね、私たち住むところないから、愛穂の家に居候することになったのよ」
芳川はこのようになったいきさつを簡潔に説明した
「なるほど…。しっかし、学園都市最強がこんな小綺麗なマンションの教師の家に居候とはねぇ…」
叶は笑いを押さえながら白髪の少年に話し掛けた
「…テメェがいるなんて聞いてたら、断っていたはずなンだがなァ」
「まあそういうなって、一方通行。いままでが異常だったんだから、ちょっとは『普通』の暮らしってのに触れてみろよ」
「ま、そういうことになってるじゃん。そういえば少年、何か用事があったんじゃないんじゃん?」
それを聞いて叶は目を見開いた
「…あっ、支部に行かないと…。じゃあ俺はこれで。またな、一方通行、打ち止め!」
「また会うことがあったらなァ」
「じゃあねーって、ミサカはミサカは番号無しに向けて手を振ってみる!」
「またねーって、ミサカは同じく打ち止めに向けて手を振ってみる!」
叶は番号無しの手をとり、走って行った
「…案外様になってるじゃん、あいつ」
「そういえば彼、いつも思ってたんだけどなんで白衣を羽織ってる時以外も私服なのかしら。さっきも私服の上から腕章してたし」
そんな二人を見守りつつ、芳川は黄泉川に訊いた
「あいつの学校…たしか、黄鐘大付属だっけ?あそこには制服がないじゃんよ。だから制服買う必要も着る必要もないからじゃん」
「そうだったの…。どうりで自由だと思った」
「あんなんだから、あんな能力が芽生えたのかもしれないじゃん」
その会話を、一方通行は黙って聞いていた
実は彼は、ある秘密を知っていた
『八人目』の知らない、複写能力の秘密を…
「どうかしたじゃん、一方通行」
その様子に気付いた黄泉川が、一方通行に問うた
「…なんでもねェ。早く案内しろ」
「はいはい、そう急かすことないじゃん」
その言葉を皮切りに、四人はエレベーターへと入ろうと…
「あっ…」
「どうしたじゃん、桔梗」
「エレベーター、昇って行ったわよ」
…したが敵わなかったようだ



あの後叶は、すぐさま一七七支部へ急いだ
建物の前に番号無しを置いて支部に入ると、すぐに用事を済ませた
しかし
「そういえば、いいですよね私服って」
出掛けようとした矢先に、飾利に捕まってしまった
どうやら彼女も今日は休みらしい
「…そうか?毎日毎日着て行くもの考えるのは面倒臭いだけだぞ」
「それでも、自由っていいじゃないですか!」
その言葉を聞いて、叶は大きくため息をついた
「どうしたんですか、天岡さん」