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キミとボクの恋戦争

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「…やって、光とそういう関係になるん、怖い」

光の気持ちを受け入れれば、きっと光の笑顔が俺を待っているだろう。
やけど、それ以上踏み出してしまえば、きっと後戻りは出来なくなる。
恋に溺れる、そうなった時、様々な感情に出くわす事になるだろう。
喜び、悲しみ、苦しみ、怒り、愛しさ、嫉妬、焦燥、欲望、絶望。
それらに苛まれた時、己を上手くコントロールする術を見つけられる自信がない。
ましてや男同士と言う禁断の恋なのだ、祝福されない恋路に障害は山ほど積み上がっている。
そのうちのたった一つにでも躓こうものなら、神様は容赦なく俺たちの仲を切り裂くだろう。
そうして残るのは、傷跡だけなのだ。
光が傷付くのも、自分が傷付くのも、怖い。
そんな事を考えていたら、どうにも光を受け入れる気持ちにはなれない。

小春は、黙って心の内を聞いてくれた。
その優しさが胸に沁みて、つんと鼻の奥が痛む。

「大丈夫よ。一人で恋してるわけやないんやから」

安心させるように、小春が俺の頭を優しく撫でてくれた。
掌の温もりが心地よくて、微かに目を細める。

「そんな悩み、好きな人と居ったらいっぺんに吹き飛んでまうわよ」

「そう、かな?」

「そうや。それに、障害は二人で一緒に乗り越えるからこそ燃え上がるんやで」

「小春…」

「せやから、そんな顔せんと、笑って?笑ってるのがユウくんには一番似合うんやから」

その言葉、そっくりそのままラケットで打ち返したるわ。
そう言って微笑んだら、小春も嬉しそうに笑い返してくれた。

「ほんなら教室戻ろか?もうすぐ授業始まるし。それから、部活ん時でええから、ちゃんと光と話するんやで?わかった?」

「おん、わかっとる。ありがとうな小春。大好き!」

ぎゅっと小春に抱き付けば、甘えたさんなんやから、って優しく背に腕を回してくれる。
やっぱり小春には敵わへんよ。

作品名:キミとボクの恋戦争 作家名:arit