化け物と祓魔師
六臂が目覚めたのは、それから1日後。
本部の医療棟。真っ白なベッドの上だった。
気絶してからのことは何も知らない。
化け物達は消えた痕跡さえ残さず消えていた。
どういうわけか六臂は、別件で動いていたハンター達に助けられたらしい。
帝人は何も知らないと言うので、
今回のことは闇に消えていくことだろう。
「納得いかない」
「そう、言われてもねぇ」
祓魔師に与えられている一室で、六臂はふんぞり返りながらソファに座っていた。
その部屋の主である帝人は笑みを浮かべながら資料を裁いていく。
「何があったのか知っているんだろ。言え」
「いや、知らないってば」
「っ!知らないわけないだろ!」
「知らないものは、知らないよ」
「あぁ!もういい!お前に聴いた俺が馬鹿だった!」
そう言い残すと六臂は勢いよく部屋から飛び出してしまう。
帝人は苦笑を漏らすと、言えるわけ無いよ、と小さく呟いた。