紬「春の訪れ」
3年2組。教室へ着いた私達はいつものようにおしゃべりしてる。近所に出来たアイスのお店について結構盛り上がってたわ。
「でね~。あそこのアイスが滅茶苦茶美味しくて~」
「へ~。じゃあ、今度みんなで行ってみるか!」
ガララとドアが開く音。担任かしら?誰だろう。
「は~い。席についてください~」
「さわちゃん!?」
りっちゃんが声をあげる。私も驚いたわ。
「本日より、このクラスの担任を持つことになった、山中さわ子です。教師になって、初めてなので、至らない点等あると思いますが、みんなよろしくね」
「ラッキーだね。山中先生、きれいだし。優しいし」
同じクラスの子の話し声が聞こえた。すると、りっちゃんがその子に言う。りっちゃん・・・まさか・・・。
「見た目にだまされちゃだめだぞ~?さわちゃんって実は・・・」
「田井中さん~?」
さわ子先生がりっちゃんに気づく。狩られちゃうかな?
「私語はつつしんでくださいね~?」
「はい・・・。すみましぇん・・・」
りっちゃん・・・私にも見えたわ・・・。さわ子先生の黒いオーラが・・・。
その後は、入学式についての説明を聞いて、講堂に移動。講堂では校歌を歌ったりしたわね。