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ルック・湊(ルク主)

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途中でルシアが立ちふさがるが、湊らに倒される。そしてテレーズがルシアに歩み寄り、ルシアを信じる、あなたももっと色々きちんと見て欲しい、と言った。ルシアは沈黙の末、湊に王城への道を開けた。
湊らは城内に突入し、上へ上へと城を駆け上がる。するととある扉の前で一人の男が立っていた。
ゲンカクの親友であり、ハイランドの第二軍将軍、ハーン・カニンガム。彼はゲンカクとの事を思い出しつつ、湊に一騎打ちを挑んできた。

当時じいちゃんの敵でありながらも親友だった人・・・。お互い今の湊とジョウイのように紋章を持ちつつ、その後祠に封印した人。

湊は色々な思いを抱えながら、ハーンを倒した。
さらに階上へあがると、こんどはクルガンとシードが立ちふさがる。彼らをも倒すと、2人は最期の時までハイランドに仕え国を守っていたという事に満足し、そして死んでいった。

一方ジョウイはその間に王城の一室でピリカに別れを告げていた。そして後から入ってきたジルに、ピリカと共に逃げるよう頼む。
2人は色んな思惑の中でのある意味政略結婚をした訳であったが、お互い愛していた。
すまない、と告げるジョウイにジルは駆け寄り、そして2人はきつく抱き合い、最後の別れを告げ合った。

湊たちは広い王城内で、敵と戦いつつも、ようやく皇王の間の前までたどりついた。少しホッとした湊に対して、ルックが険しい顔をする。

「・・・ルック?」
「・・・嫌な気配がする。」

その時レオンが現れる。

「・・・我が・・・本意ではなかったが・・・ここまで来た事は、素直に褒めるとしよう。さあ、これが最後・・・。ルカ・ブライトの残した、憎悪の化身、“獣の紋章”。ミューズの市民達の血を吸い、血に飢えた破壊の化身、それを封じるのも既に限界だ・・・。この獣を、この地に解き放てばすべては、無に帰す事が出来る。それが、ルカ・ブライトの望みだった。乗り越えられるか湊?」

そう言って小刀を取り出し、自らの手にあてて傷をつけ、血を床に垂らす。

「っあなたはいったい、何がしたいんだっ!!」

湊がそうどなったがすでに声は届かなかった。床に記された“獣の紋章”が妖しく光り出す。そして青い、仄暗い炎が浮かび上がり、それらは形を持つ。
破壊を司る化身、シルバーウルフが召喚された。
ルックが舌打ちをする。皆が固い表情で構えた。
銀色の狼は恐ろしく強かった。双頭であり、そして間には“獣の紋章”がある。

「っ先にあの紋章を破壊するんだっ!あれのせいで奴にバリアがはられている。あいつの頭を倒さないといけないが・・・紋章のせいで多分ダメージは与えられないっ!」

ルックが叫んだ。
皆で紋章を集中的に攻撃する。敵は恐ろしいほどの魔法を繰り出してき、まさに死闘を繰り広げることとなった。
なんとか紋章を破壊し、双頭をも倒した時、戦闘の激しさで城が崩れ出した。
それでも湊はそのまま皇室に入って行った。皆が後を追いかける。

ジョウイ!ジョウイは、どこ!?

だが皇王の間の奥にある玉座にはジョウイのコートだけが残されていた。湊はそのコートを手に取った。

「湊!危ない!早くここを出るんだ!」

ルックが湊をつかむ。

「で、でもっ、ジョウイがっ・・・」
「そんな事言ってる場合じゃない!早く!」

湊も皆を犠牲にするつもりもなく、やむを得ず脱出した。
外では皆が無事を心底案じていた。そこに湊らが現れ、同盟軍の皆のもとへ駆けつける。皆も駆け寄り大歓声が起きた。


まるで夢の中にいるかのような気分に陥る。
長き戦いに勝って・・・皆がそこで笑っていて・・・。あのルックもビクトールさんに頭をぐしゃぐしゃと撫でられて怒っている。心温まる光景。
もみくちゃにされながら、湊もホッとしたように笑った。

だけれどもそこにナナミはいない。そして。


ジョウイ。
作品名:ルック・湊(ルク主) 作家名:かなみ