ルック・湊(ルク主)
中に入ると、湊がニコニコと出迎えてくれた。何これ、何フラグ?
「・・・何してんのさ・・・?」
「えー?だってルック、いきなりいなくなるしさー、んでどこ行ったか分かんなかったし、僕はもうやる事は終わってたから、ここで待たせてもらった。だっていつでも勝手に入っていいって言ったじゃん。」
ああ、言った。言ったな・・・。
だが、こんな風に飲んで頭がすこしふわふわしている時にはいて欲しくなかったかも。
自分的にも湊的にも、あまりお勧めできない。
「で、ルックどうしたの?急に出てくからさー?なんかあったの?」
「・・・。いや。別に何も。とりあえず、ちょっと今はアレだから、今度また来て。」
なんとなく、ほんのり妙なもの言いに首をかしげつつ、湊はルックに近づいた。
「ルック、どうか、した?なんかやっぱりおかしくない?」
「いや。おかしくとも何ともないから。とりあえず今はまずいんだって。だからハウス。」
「ちょ、また人を子猿か犬扱いしてっ。って、ルック?お酒臭い。お酒飲んでたの?」
「あー、そう。だから、分かった?マズイ。おやすみ。」
どうやっても追い払おうとするルックに、やはり湊は首を傾げる。
「何がまずいのか、まったく分かんないんだけど。ほんとルック、どうしたの?酔ってるだけ?」
そう言って、湊は心配げにそっとルックの頬に触れた。
「っ」
ルックはその湊の手を、グッとつかんだ。
「?ルック?」
「君は・・・もうちょっと警戒心とか、猜疑心とか、その他もろもろ、学んだほうがいいよ。どんな目にあうか考えたほうがいい。」
ルックはじっと湊の顔を見て、そう言った。
「え?どういう意味・・・?ごめん、僕、あまり頭良くないから・・・。」
「頭とかはあまり関係ない。・・・。分かった、君でも分かるように教える。」
「え、うん、ありが・・・」
湊がお礼を言おうとしたその唇に、何かが触れた。
“え・・・?”
茫然としている湊。
ルックはそっと触れた唇を離した後、ニコリ、として言った。
「分かった?とりあえず、まずいから、ね。もう今日は出てって。おやすみ。」
そうして茫然としている湊をそっと部屋から出すと、ドアを閉め、鍵をかけ、おまけに結界まで作ってしまったようであった。
「・・・え・・・?」
湊はしばらく茫然とその場に立ちすくんでいた。
作品名:ルック・湊(ルク主) 作家名:かなみ