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ルック・湊(ルク主)

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「で、いつ出発するの?」
「今日出るには少し遅いので、明日一番に。丁度今は誰を連れて行こうかなぁと思っていたところなんですよ。」
「そうなんだ。じゃあ、今日はもうここに泊めてもらってもいいかな?」
「ええ!もちろん。あ、良ければまた僕の部屋に・・・」
「喜ん「却下。」で。」

妙に声が重なったところで、今度は全然違う事を言っている為バラバラかぁ、と湊がてんで見当違いな事をがっかりと思っている中、ルックと詩遠はお互いある意味見つめ合い、黒いなにかを放出し合っていた。それに気づいた湊が口を開く。

「ルック。詩遠さん。いくらあなた達でも、ここで魔法ぶっ放したら、僕だって黙ってませんからね。」
「・・・何するってのさ。」

ルックが怪訝な様子で、だが湊が一体何を出来ると?と暗に示しながら聞いた。詩遠もまだ黒いものを出したまま、それでも湊にはニッコリとした笑みを向けて、いちおう話しの続きを待っている。

「詩遠さんは数日出入り禁止を。ルックは僕に触れるの、一日禁止。」

その瞬間まがまがしいと言っても過言じゃなかった黒い気配が消えた。それはそれは一瞬のうちに。
湊が、“良かった”とにっこりしているのを見ながら、ルックが呟く。

「ハッ、あんたともあろう者が、住んでいる訳でもないここに、数日出入り禁止されるのが怖いわけ?」
「彼に触れるのをたった一日でも禁止されるのが困ると思う、どこかのエロ魔法使いよりマシ。ていうか、どんどん尻に敷かれてきたんじゃないの?」

そうしてまたお互い黒い笑みを浮かべ合ったところで、湊の咳払いが聞こえてハッとなる。

「・・・。とりあえず、人数はこれで揃ったから、僕、レオナさんのところに手配しに行ってくるよ。て言っても、行く事知らないの、誰もいないけど。」

そう言って踵を返そうとした湊に、ルックが言った。

「・・・別にあの山賊少年も数に入れなくていいだろ。もう一人増やしなよ。」
「うーん。でも、まあ、いいよ。」
「ちょっと!」

ルックの制止を聞かず、湊はそのまま“じゃあ詩遠さんは今日宿、取れなかったら僕の部屋にどうぞー”と言いながら走って行った。

「まったく。」
「誰が行くの?」
「・・・あんたと僕。それにビクトール。ここにゾンビの事を言いに来た山賊の子。後は湊が危ないからって反対したにも関わらず、強引について行くと言ってきかなかった、さすが湊の姉、と思わせるナナミ。」
「っぷ。ほんとさすがナナミちゃんだね。まあでも、その山賊っ子は知らないけど、後は腕に問題はナイし、大丈夫だろ。俺とお前がとりあえず付いてたら大抵の事は大丈夫だって。」
「それは、そうだろうけど。・・・人数を減らしたところで誰かが倒れる時は倒れるものだ、って前に言ったら、じゃあ増やしても危ない時は危ないって事だから、同じ事じゃないかと返された。いつも同じメンバーが多いのもなるべくやられる者を減らしたいからみたいだ。本人はそう言ってはいないけど。同じメンバーだと、レベルも上がっていく分、実際やられる確率はその分減る訳だし、ね。」
「あの子なりに考えてる訳、だ。」
「ほんとバカだよ。」

ニッコリと微笑んだ詩遠に、ルックはそう言ってプイ、と顔をそらした。
作品名:ルック・湊(ルク主) 作家名:かなみ