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ルック・湊(ルク主)

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そして何事もなかったかのようにニコリと笑った。周りもホッとしたように対策について話し始めた。
だが結局、何も決める事は出来なかった。
夜も更けてきたころ、部屋を出たところにいたグスタフの娘、リリィとナナミが話をしている時に、ルックが口を開いた。

「・・・大丈夫か?」
「あ、うん。ありがとう。大丈夫だよー。」
「あいつ、何を?」

詩遠が聞いた。

「あー・・・。そか。ルックも詩遠さんもその時はいなかったもんね。ジェスさんてミューズの副市長をしてたんだよ。市長だったアナベルさんを敬愛してたんだ。・・・で、アナベルさんは・・・その・・・えっと、ビクトールさんにもちゃんと言ってはいないんだけど、ね・・・」

湊が少し言い淀んでから、ため息をつき、また口を開いた。

「僕とナナミはその時アナベルさんに呼ばれていて。で、部屋に入ったら・・・ジョウイが・・・アナベルさんを・・・。」
「そうか。分かった、もういい。」

静かにそう言ったルックが、そっと湊を抱きしめた。詩遠も湊の髪を撫でる。

「ん・・・。ジェスさんは・・・敬愛していたアナベルさんを亡くして、きっとどうしようもない思いを抱いてるんだよ。だから・・・」

何も言わないで、と湊は囁くように言った。
そして湊はナナミのところに行き、階上に上がりながらナナミと話していた。そしてナナミがリリィと会話した後でピリカの事を思い出し、その身を案じているのを慰めていた。
ルックと詩遠はそんな湊を黙って見つめていた。
上に上がり、部屋に近づくと先ほどのジェスが立っているのに気付いた。

「な、何よ!やる気?」

ナナミが湊の前に出て構えるように言った。

「そのつもりはない。だがな、湊、俺はお前を信用していない。アナベル様の事もあるが、それ以上に、都市同盟を救うのは都市同盟の人間の手で行うべきだ。俺はそう思っている。」

そう言うと、ジェスはルック達を無視して歩き去って行った。

「何よ!べーだっ。」

そう言って勝気な風なナナミだったが、ルックや詩遠から見ても、とてもなにか痛いものを抱えているような目をしていた。
湊はといえば、やはり黙ったままであった。
作品名:ルック・湊(ルク主) 作家名:かなみ