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ルック・湊(ルク主)

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決意5



村長の家を出た瞬間、4人が見た光景は最悪のものだった。
至るところにゾンビがいる。

「とりあえず、出よう。」

詩遠が言い、4人は走り出す。ゾンビ達の動きは悪かったのですり抜けて行く事はまったく問題なかった。
だが途中で逃げ遅れたのか、襲われている村民がいれば立ち止りゾンビを倒していく。
そうしてようやく村の入り口まで来たところで囲まれるように地面からゾンビが現れた。

「っ!」

皆が構えたその時、村の外からコウユウとマルロが走ってきた。とりあえず一緒になってコウユウがゾンビを倒しつつ言った。

「湊様方!こんなところで何なさってるんですか!!ここはおいらが食い止めます。早く逃げて下せぇ!!」
「っでもっ。」
「湊様。おいら達がやられても、大丈夫だが。湊様がいなくちゃ、誰があのネクロードや、王国軍を追い払ってくれるんですかってんだ!!」

ニカっと笑って、さも何でもない事のようにコウユウは言った。湊は唇を噛みしめる。
その後ろでマルロも震えながら言う。

「ぼ、僕も戦いますよ、コウユウくん。湊様をお助けするなんて・・・・・・本の中のお話みたいですからね。僕も・・・がんばります。」

本が大好きなマルロは無理をしたような笑顔を見せた。

「・・・とりあえず、今いる、ここのヤツらは・・・」
「僕らが倒す。」

そう言うと詩遠とルックがそれぞれ動いた。詩遠が棍で殴りかかっている間にルックが魔法を詠唱し、それを放つ。
あっという間に囲まれていたゾンビ達を倒すと、詩遠がコウユウに言った。

「・・・悪いな。では、あとは頼む。」
「わ、分かりやした!」

じゃあ、行くぞ、と詩遠が進む。ルックも湊とナナミをうながした。

「ご、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい・・・。」

ナナミがたくさん謝りながら、コウユウとマルロの横を通って行った。湊も消え入るような声で礼を言うしか出来なかった。

ごめんなさい・・・コウユウ、マルロさん・・・。僕は・・・。

とりあえず、そのままの勢いで4人は黙ったまま先へ急ぐ。
虎口の村に入った時点ではここはまだ平和そうだと思っていたが甘かった。
この村でもあっという間にゾンビが押し寄せてきた。まだ村人がいた段階では4人とも戦っていたが、ゾンビ達は次から次へとやって来る。とりあえず村人達が逃げたのを確認した後で、4人も山の方へ逃げる。
だが村の出口まで来た時にありえないほどのゾンビが一挙に現れた。

「っく・・・。なんだ、この数はっ。」
「ほんと主人に似てしつこいな・・・。」

詩遠とルックも、さすがに少し鬱陶しそうな表情を見せた。

・・・だめ・・・。ここにいる大切な・・・とても大事な人達の髪の毛1本でも損なわせない!

湊がそう思った瞬間、右手が焼けつくように熱くなった。

「っうっ。」
「っ湊!?くそっ、紋章かっ」

ルックが湊の様子に気づき、駆け寄った瞬間、盾の紋章のまばゆいばかりの光が広がった。

「「「!!」」」

次の瞬間には、ゾンビはどこにもいなかった。

「?え?え?今のは??えっと、助かったん、だ、よね・・・?」

ナナミが驚いたように言った。ルックと詩遠はお互い顔を合わせ、眉をひそめた。

「っ?湊?」

その時ナナミが湊の異変に気付いた。2人も慌てて湊を見る。
真っ青になった湊が、それでも笑おうとし、だがそのまま崩れ落ちた。

「湊!?大丈夫!?ねぇ、ねぇ、ねぇってばぁ!!」

湊の紋章の事を何も知らないナナミが真っ青になって湊にすがりついた。

「どうしたの?ね、大丈夫?大丈夫だよね??」

そしてしゃがんだまま、湊に背を向けた。湊はナナミを見る。そして黙ったまま、ナナミにすがりついた。
湊を背負ったナナミが立ちあがる。

「大丈夫、大丈夫だよ、湊。お姉ちゃんがちゃんと守ってあげるからね。大丈夫だからね!!行くよ。しっかりつかまってるのよ!!」

そしてナナミはしっかり湊を背負ったまま、山の方に駈け出した。
詩遠もルックもまさかナナミがそう出るとは思わず、思わずそんな2人に魅入ってしまっていた。だが我に返り、ナナミをサポートするべく、また現れ出したゾンビを倒していきながら、ナナミ達の後に続いた。
ゾンビ達はルックと詩遠が倒しているとはいえ、途中でナナミの息が上がってきた。

「はぁ、はぁ、はぁっ」
「大丈夫か?」
「大丈夫?ナナミちゃん、俺が代わるよ。」
「いいの!湊はわたしが守るの!!ゲンカクじいちゃんと約束したんだもん。わたしが・・・わたしが・・・」

ナナミがそう言っている時、目の前にまたたくさんのゾンビが現れてきた。

「う・・・うそ・・・」
「まったく・・・しつこいな・・・・」
「いくら俺らでも、このままでは・・・」
「やだ!やだ!やだ!やだ!やだぁーー!!」
「どいてろ。」

その時、聞き慣れない男の声が不意にしたかと思うと、ナナミの目の前でゾンビが次々に倒されていった。
作品名:ルック・湊(ルク主) 作家名:かなみ