二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」
飛空都市の八月
飛空都市の八月
novelistID. 28776
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

SOUVENIR II 郷愁の星

INDEX|17ページ/39ページ|

次のページ前のページ
 

◆4


 やすらぎの力を星に送ろうとして、クラヴィスはふと後ろから来たランディのほうを見た。
 「すまなかったな、ランディ。おまえには何も告げずに来てしまった。だが、おかげで日中は有意義にこの星を見回ることができた」
 見回る? ランディはその言葉に反応した。聖地でも滅多に出歩かないクラヴィスが?
 「どういうことなんですか、クラヴィス様」
 「何が」
 「いくら力を与えるためとはいえ、ここまでいらっしゃること自体不思議だったけど、何でこの星……」言いかけてランディは思い出す。
 「この星が“特別”ってどういうことですか?」
 さっきジュリアスとクラヴィスが言い合っていた。お互い何か含んだような物言いで。
 「それは」
 クラヴィスが言おうとしたとき、後ろから物音がした。ランディが振り返ると、上からすっぽりとクラヴィスのマントを被って、リディアを抱きかかえたジュリアスが立っていた。
 「本当は立ち会っていたいのだが、とりあえず連れて帰る。出入口の者には言付けておく」
 クラヴィスは頷くと、ランディのほうを見た。
 「おまえももう帰るがいい。私はまだもう少しここにいる」
 「……わかりました、ですが」
 「おまえの力のことは明日にしよう」クラヴィスはランディの心を見透かすように答えると、ジュリアスの抱きかかえたリディアを見た。
 「私がこの娘から話を聞く」
 ジュリアスの表情は一気に険しくなった。だが、クラヴィスは何も言わず、ふい、と再び広がる黒い土地の直中に向かって行った。そしてジュリアスも背を向ける。仕方なくランディもジュリアスの横を歩いた。
 「あの」
 「何だ」
 「聞いてもいいですか、ジュリアス様」
 返事がないので、ランディはそのまま続けた。
 「何故この星なのですか」クラヴィスから聞けなかった答えを、ランディはジュリアスに尋ねた。 
 ジュリアスは、くいっと今までいた方へ顎をしゃくった。
 「あの者から聞いたのではなかったか、ここの話を」
 「え?」
 「そなたに、何故私が剣を持たなくなったかという話をしたと言っていたが」