二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」
遠野 真澄
遠野 真澄
novelistID. 10989
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

A cielo che avvolge una nube

INDEX|12ページ/16ページ|

次のページ前のページ
 

「ビアンキ、今友人2人来てるの。 ・・・ランボとリボーン、頼める?」
「任せて、ツナ。 ランボは分かるけど・・・リボーンも?」
「・・・説明するのも面倒だから。 それに、ビアンキも嬉しいでしょ?
ランボがいるけど」
「そうね。 まぁ、こっちは大丈夫だから早く行きなさい。
お客様を待たせてはダメよ?」

自身の紅茶セットと2人用のグラスとジュースのペットボトルを出したツナは、自分を見つめる視線に気づき、微笑みながら頼みごとをする。
そんな彼女の頼みごとに、基本的に意義を唱えないビアンキは頷いた。
ビアンキの了承に嬉しげな笑みを浮かべたツナは、器用に音を立てることなく軽い足取りで自室へ向かった・・・・・・。


同時刻、沢田家前では不審な格好をした女子中生が不法侵入していた。
彼女は今朝一方的にツナを“イタイケな赤ちゃん(ハル視点)に悪いことを吹き込むヒトデナシ”と認識している。
そのため、彼女はそんな“ヒトデナシ”から“イタイケな赤ちゃん”を救う正義の味方(笑)であるため、自身が犯罪領域にいることに気づかない。(自宅・部屋特定=ストーカーと同様尾行。ツナ、気づいているが放置していたため)

「あら? 見かけない顔ねぇ。 ツーちゃんのお友達かしら」
「ツ、ツーちゃん? い、いえ! 私は、リボーンちゃんの友達ですッ」
「あらあら、リボーンちゃんの? 今、家にいるから・・・どうぞ?」

ドアに手をかけた瞬間、背後から声をかけられて驚きながら振り返る。
その先には、買い物袋を持った奈々がおり、おっとりとした微笑みを見せながら初めてみる顔に問いかける。
奈々の問いかけに「ツーちゃん」に心当たりはないがツナと面影が似ていることから“ヒトデナシ”認識している人物の母だと気付き、思い切り否定しながらも今朝からのお友達であるリボーンの名を告げる。

「お帰りなさい、ママン」
「ただいま、ビアンキちゃん。 あら・・・。
今日は、京子ちゃんと花ちゃんが来ているのかしら。
ランボくんには、下で遊んでもらわないといけないわねー」

ドアを開けようとした奈々だが、中からビアンキが出てきたことで玄関先に見なれた靴があることに気付いた。
愛娘の友人と会っているためか、彼女は花の極度の子供嫌いを知っているため、ランボがその対象であることを正確に理解していた。

「・・・ところで、ママン。 彼女は? ツナの友達なの?
ツナは上にいる2人分しか用意していなかったけれど・・・」
「さっき、初めて来た子よ。
ツーちゃんじゃなくて、リボーンちゃんのお友達らしいわ」
「・・・そう。 リボーンの、お友達、ね」

奈々から荷物を受け取りながら沢田家のボディーガードを任されているビアンキは、危険人物かどうか目視で確認しながら尋ねる。
そんな彼女の言葉に、ニコニコと笑みを浮かべながら先ほど聞いた言葉を告げるのだった。
その瞬間、一気に体感温度を下げたビアンキは、スッと目を細めると品定めをするかのようにハルを見つめるのだった・・・・・・。


その頃、ツナの自室である2階ではお茶会という名の休憩中であった。
幼い頃に鍛えられたためか気配に敏いツナは、現在招かれざる客がリビンクにいることに気付いているが、自身がその場に行こうとしない。
現在は擬態しているとはいえ自分を思って勉強会を開いてくれる心優しい友人2人との時間である。
ツナは基本的に雲雀至上で次に家族であるが、一度懐に入れた人間を邪見しない。
最も、その懐に入るまでが厳しい道のり・・・であるが。
そのため、現段階での優先順位は友人2人である京子と花と、今日初めて認識と同時に一方的の敵対意識を向けられたハルとでは、天秤にかけるまでもないのだ。


2階でほのぼのとした空気に包まれている中、リビングでは一部ブリザードが吹き荒れていた。
ハルが沢田家に足を踏み入れてまず目にしたのは、優雅にエスプレッソを飲む“イタイケな赤ちゃん”ことリボーン。
そんな彼の横には定位置であるビアンキがツナの作った紅茶を飲んでいた。
ビアンキは一定の品定めをした後、受け取った荷物を片手に、さっさと中に戻っていたのである。
本来ならば持てる範囲で袋を持ちたかったが、彼女の特異体質を知るツナから、厳重にこの家に限らず自分たちの生活範囲では決して食材に触れるなと言われている。
触れる場合は、責任もって自身とリボーン(人身供養)で片付けることが絶対条件だった。
リボーンと友達だと言ったハルは、彼女にしてみれば敵と認識される。
その言葉に、恋愛感情が含まれないとしても今後どうなるか分からないからだ。
また、日頃本人から「4人目の愛人」と言われていることも、余計に執着する原因となっているのだろう。
相手が一般人であるため彼女自身は手を出さないが、これが同業者であれば今頃地獄絵図と化していることに誰も気づいていないのは・・・知らぬが仏・・・なのだろう。

「今日和、リボーンちゃん。 今は・・・あの人と一緒じゃないんですね?
・・・リボーンちゃんのイタイケな心を踏みにじる人に天誅を!と思ったんですけど・・・やっぱり、部屋ですかねぇ」
「・・・なに、それ。 どこの誰のことよ」
「Σ 凄くキュートなリボーンちゃんのことじゃないですか!
こんな可愛らしいリボーンちゃんに、あの人は物騒な言葉を覚えさせているんですよ!?
純粋無垢でまっさらな心に!!」
「リボーンが可愛くて凛々しいのは、同意ね。 流石、私の愛する人だわ。
けれど・・・貴女の言う『あの人』がツナだった場合、それは聞き捨てならないわ」

普通ならば赤ん坊がカップを持ち上げたり中身がコーヒーであることに驚くが、そのことに関して総スルーしたハルは、グルッと視線を部屋全体に向けた。
その時、無意識だったのかツナに対する毒が含まれていることに気付いたビアンキは一層冷気を纏わせながら尋ねる。
リボーンに対しての評価にビアンキは満足気に頷きながらも、妹のように可愛がっているツナに対しての言葉に反応する。
信念を元に彼女の中での人間関係は実に単純明快である。
リボーンなど好意を寄せた相手には愛情深いが、それ以外・・・特に気に入らない者には相手が子どもであっても容赦しないほどの両極端しかない。

「あの人が原因に決まってます!!
なぜなら、私がリボーンちゃんを初めて見かけた時から必ずと言っていいほどあの人が傍にいましたから!」
「・・・ツナのこともリボーンのことも全く知らないから、そんなこと言えるのよ。
私は、あの子ほど慈悲深くて包容力の強い子は知らないわ。 流石、ママンの娘ね。
後、これだけは言っておくわ。 あの子もリボーンも嘘だけは言わないわよ」
「あらあら、ビアンキちゃん。 私の娘だからって、慈愛に満ちているわけじゃないわ。
自慢の娘ではあるけれど。 三浦さん・・・だったかしら。
貴女が何を思っているのかは知らないけれど、娘を一方的に悪いと決めつけられて気分のいい親はいないわ?
リボーンちゃんのお友達だというから上げてあげたけど・・・娘やそのお友達にも悪いから今すぐ、出て行ってもらえないかしら」