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遠野 真澄
遠野 真澄
novelistID. 10989
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A cielo che avvolge una nube

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5.
「・・・そろそろ、頃合かな?」
「恭ちゃん?」
「僕としては、率先して群れるつもりはないよ。 けど、君のために最大限の譲歩はしてあげる。
そのために、現時点での彼らの実力・・・試させてもらおうかな」
「・・・はっきり言って、恭ちゃんが満足できるレベルじゃないよ?」
「それでも、一応はね? それに・・・今後顔を突き合わせることになるだろうし、
何より君の傍に僕以外の男が常に蔓延るのはいただけない。 君は、みんなの大空だろうけど僕の大切な半身だろう?
今のうちに、その辺りもしっかりと叩き込まないとね」


暖かな陽気の中、色とりどりな見た目と栄養面を完璧に計算された愛妻弁当(あながち嘘ではない)を最愛の婚約者と食べるひと時。
食事を終え、持参した手作りお菓子を啄みながら以前より考えていたことを告げるのだった・・・・・・。
――――― 孤高を愛する《Nuvola(雲)》。
しかし、己が唯一その腕で抱きしめる最愛の《Firmament(大空)》。
その周りに集いし天候たちに、自身の存在を知らしめるべく簡単な《sfida(試練)》を与えるのだった・・・・・・。



相思相愛の半身から告げられて数日。
不審に思うほど平和な日常をツナたちは送っていた。
そんな中、命などが関わる危険性が伴っていないのか警告のシグナルが僅かであるものの発せられるため、
ツナだけはこれからまたひと騒動が起きるだろうと予測していた。

「何か心配事ですか、十代目!!」
「相談事だったら、聞くぜ? ツナ」

考え事をしていたため、憂いを帯びた表情を浮かべたツナに対し、2人はすぐさま反応を返す。
そんな彼らに苦笑いを浮かべながら首を振り否定するツナに、納得のいかない表情を浮かべる2人である。

「本当に大丈夫だよ、2人とも。 ちょっとした考え事だから」
いろいろと隠し事のある身としては、
心苦しいとも思わないでもないがまだ時期ではない・・・と彼女自身の考えもあり、黙秘することにしたツナである。

「・・・それにしても、ムカつくぜ」
「獄寺? 何かあったのか?」
「あ゛? 今日、なんかの検査っつーのがあっただろうが。
あれで、よくわからねーリーゼントが俺に「ペナルティだ」とか言いやがったんだよ」

不機嫌さMAXな獄寺は今朝あった服装検査について語りだした。




獄寺の朝は、彼が崇拝するツナを迎えに行くことから始まる。
しかしながら、この登下校を一緒に・・・という彼の考えは、即座に却下されたため、ツナより早めに登校してくる。
通常ならばそのまま下駄箱に向かうのだが、不定期に服装検査が風紀委員会より実施される。
この日もまた、その服装検査が行われている真っ最中だった。

「お前は・・・獄寺隼人・・・だな。 髪は自毛のようだが、アクセサリーやピアスなど校則違反だ。
こちらの記録では、前回も同じ注意を行ったはずだが。 反省・改善が見られない以上、ペナルティだな」

リーゼント頭に旧式制服を纏った男子生徒・・・風紀委員が告げる。
転校してきてから日も浅く、また彼が十代目と言って慕うツナ以外に興味を示さないために
風紀委員の告げる『ペナルティ』を知らない獄寺は、不機嫌そうな顔を隠すことなく風紀委員を睨みつけるのだった・・・・・・。




「・・・って、獄寺罰則をそのまま放置したのかよ?」
いつもの爽やか笑顔を見せていた山本は、びっくりした表情を浮かべながら獄寺を凝視した。
彼自身は部活の関係で一度も服装検査に引っかかったことはないが、
交友関係が広いため『ペナルティ』・・・罰則の内容を知っている。
また、その罰則を行わなかった場合の末路も知っているため、驚きを隠せないのだった。

(・・・恭ちゃん、まさかとは思うけど・・・ここまで読んでいたの?
まぁ、獄寺くんの性格は読みやすいから全ては恭ちゃんの手のひらの上・・・でしょうけど)

「罰則だぁ?」
「・・・先生、説明してないのか?
あの検査に何回か引っかかるとペナルティつって、トイレ掃除させられるのな。 それも1週間。
開始は、言われた日からって聞いてるけど。 それを行わなかった場合、
『1−A、獄寺隼人。 風紀委員会まで来るように。 もう一度繰り返す・・・』って感じで呼び出される」

ツナは内心最愛の婚約者が策士ぶりを見せることに呆れた感想を抱きつつも、
一切表情に反映さえることなく2人の会話を聞いていた。

「ふ、風紀委員会室って・・・応接室!? 獄寺くん、何しているの! 早く行かないと、これ以上は危険だよッ!!」
「場所分かるか? 俺も一緒について行ってやるよ!」

慌てるツナとは対照的に、どこまでも爽やかに笑う山本は、
不機嫌さを隠さない獄寺を引っ張るように呼び出された委員会の根城である応接室へ向かうのだった・・・・・・。