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遠野 真澄
遠野 真澄
novelistID. 10989
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A cielo che avvolge una nube

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そんな彼に、ますます苦笑いを深めるツナであった。

「お? まだやっているのか?? マフィアごっこ。 楽しそうだなぁ・・・俺もそのファミリーってんのに入れてくれよ!」
「や、山本・・・・(本心で言っているのか、何かを悟っているのか・・・。判断がつきにくいな・・・・)」

そんな2人の背後から声を掛けてきたのは彼女よりも一つ分背の高い野球部のエース、山本武であった。
彼の言葉に曖昧に笑ったツナであったが、彼の言葉は何か考えがあってなのか・・・それともただの天然な発言なのか判断に困るものであった。

「なにぉ? さてはお前・・・十代目の右腕を狙ってやがるな? そうはいかねぇ! 十代の右腕は、この俺だぁ!」
「・・・今の発言を何とどう取ったら、そういう発想になるの・・・」
「そんなこと言わずに、仲間に入れてくれよ! 遊びは、大勢のほうが楽しいだろ?」
「山本・・・・(うん。彼は天然が半分ってことかな)」

会話の噛合わない2人にツナは、溜息を押し殺して内心頭を抱えた。
邪気のない爽やかな笑みを浮かべる山本に対し、ライバルと認識したのか、獄寺はビシッと目線が上になる彼の顔面に人差し指を突き出す。
そんな獄寺の態度にも動じない山本は、笑いながらツナに視線を向け、その視線を受け取ったツナは自身の認識に対して追加事項を加えるのだった・・・・・・・。

「ツナ? ・・・そんな扉の前に突っ立っていたら邪魔よ、アンタたち」
「おはよう、ツナちゃん」
「花、京子ちゃん。 おはよう」

そんな3人に声をかけたのは、笹川京子と彼女の親友でありツナの悪友でもある黒川花であった。
天然パーマなのか軽くウェーブのかかった黒髪に、言動が大人っぽいことから女子の間では「姐御」と呼ばれることも多々ある花である。
本人は無自覚ながらも面倒見がよく、若干天然系な京子とは良好的な関係を築き上げているのだった。

「・・・ところで、その子ツナちゃんの弟?」
「え?」

京子の指摘にキョトンとしたツナは彼女の視線を追って下に目線を向けた。

「い、いつの間に・・・・。 ここに来る間は・・・いなかった・・・わよね?」

彼女の美しい美脚にギュッとしがみついていたのは、昨日リボーンに悉く無視された挙句、見事カウンター攻撃を食らっていた牛柄の5歳児・ランボであった。

「なんすか、コイツ」
「お、可愛いな?」

胡散臭げな視線を向ける獄寺とにこやかに笑う山本であった。
柔軟性のあるツナは彼らを気にすることなく解らない程度に力を入れ、足からランボをひっぺがした。
そんな彼女の行動を見ていた京子は、無垢な微笑みを浮かべながら幼子を見つめる。

「・・・まずいんじゃない? 学校まで連れてくるなんて・・・・」
「・・・うーん・・・。 私には弟・・というか、きょうだいいないんだけどね?」

あきれた様子を隠そうともしない花に対し、ツナは苦笑いを浮かべながら顔面涙まみれのランボを抱き上げる。
ぐずるランボをあやしながらも静まり返る廊下の先を見つめると彼女の最愛にして、並中・・・いや、並盛一帯の最強(凶)に君臨する雲雀の登場であった。
群れを嫌うため、校内の見回りは放課後や授業中など違反者が出るとされる時間帯に絞られているが、たまにこうした朝の時間に気まぐれで出没する。
彼を遠目に確認した生徒たちは一斉に近くにいる友人たちと1m以上の間隔を空け、形的に群れていないことを示した。

「・・・ソレは?」
「知り合い(リボーン)の関係者らしいんですけど・・・どうも、勝手に付いてきちゃったみたいです」
「・・・・ふぅ?ん?(赤ん坊の・・・ねぇ)」
「すみません・・・。 すぐに帰しますから」
「うん。 とりあえず、それが終わったら応接室に。 反省文、書いてもらうから」

ジッとツナに抱かれているランボに目を向けた雲雀は、若干機嫌を悪くしながらツナに問いかける。
そんな雲雀に対し、内心で苦笑いを浮かべながらも表には出さないツナは、少々怯えた様子を見せながら答える。
言葉の中に彼がわかる単語を混ぜながら伝えるツナに、その意味を正確に受け取った雲雀はますます見つめる視線に眼力を込める。

「(相変わらずあの子は、行動が小動物みたいだね)・・・いつまで群れているの? ・・・噛み殺すよ」

ペコンと頭を軽く下げたツナは、そのまま早歩きで再び正門へ向かった。
そんな彼女を見つめていた雲雀だったが、未だに廊下で群れている生徒たちに僅かに浮上した機嫌が再び下がるのを体感させながら、恐怖の代名詞を呟くのだった。


正門に向かったはずのツナは、ランボを連れたまま応接室にいた。
応接室に向かいながらも宥めていたことが功を奏したのか、涙目だったランボは既に泣きやんでおりキョロキョロと辺りを見渡している。

「・・・リボーン、いるんでしょ?」
「・・・この俺様に、そいつを引き取れって言うのか?」
「当り前でしょう。 ここは、学校よ? それに・・・そんなこと恭ちゃんが許すはずないじゃない」

ツナは窓に向かって呟いた。
すると、開けられた窓から入ってきたリボーンは眉間に皺を寄せながらツナたちを一瞥する。
不機嫌そうなリボーンの様子にニッコリと微笑みを浮かべたツナは彼女にとっての優先事項を述べるのだった。

「・・・フハハ!! かかったな、リボーン!! いままでのは、おまえをおびきだすためのえんぎだったのだ!!」
「・・・本気で泣いていたでしょう・・・・」

リボーンが姿を現したことにより、キッとリボーンを睨みつけるランボ。
そんな幼児に対し、ツナは呆れた様子を隠そうともせずに突っ込みを入れる。
そんな突っ込みが図星だったランボは早速どこから出したのか解らないロケットをリボーンに向けるのだった。
しかしながら、その重さに耐えきれなかったのか・・・ランボは自滅した。
顔面から床に落ち、また抱えていたロケット本体がその小さな体の上に落下し・・・その重みで本格的に大泣きする羽目になるのだった。

「バカ牛が・・・」
「・・・あの重み、5歳児には到底抱え切れる重さではないもの。 ・・・というか、アレをどこに隠していたのかしら・・・・?」

リボーンは冷めた視線を向け、ツナは仕方ないとばかりに首を振る。
そんな彼女たちの目の前で大泣きしていたランボは、泣きながらゴソゴソとアフロの頭を探り出す。
そこから取り出したのは・・・青い狸もびっくりな紫色のバズーカであった。
そのバズーカをポイっと放り出すと、ランボは自らその砲口に入り込んだ。
すると、自動的にトリガーが引かれる仕組みになっているのか・・・辺りにピンク色の煙が立ち込めるのだった。


――― ボフンッ


「・・・なんなの、一体」

煙が部屋全体を包んだその瞬間、応接室の主である雲雀が戻ってきた。
顔は見えないが、不機嫌であることは彼の声色から察せられる。
そんな雲雀に苦笑いをしながら、煙が晴れるのを待つのだった。

「・・・・ふぅ・・・やれやれ」

煙が晴れて出てきたのは・・・5歳児とは思えない長身の青年であった。
しかし、ツナは直感的にこの青年があの幼児だと判断するのだった。