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T&J

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ドラコが相談する相手はパンジーかクラップたちしかいなかった。
悩みは自分で解決しようとするドラコは心のガードが固く、誰とでも腹を割って話すことなどほとんどない。
唯一の心を許した相手が幼なじみのこの3人だけとは、ドラコの交友関係はひどくお粗末なものだ。

しかもボディーガードと食べ物以外の相談は、みんなこのパンジーときている。
彼女はいつも周りが男の子という環境の中で育ったから、かなり男の子に近い考え方をしている女の子だ。
だからひどく考え方は柔軟だったけれども、常識にあまりにもとらわれることなく、癖があり、跳びぬけて変わった性格だということは否めない。

「ドラコー、照れるなよー!耳まで真っ赤だぞー」
相手の形のいい耳を引っ張る。
「止めてくれっ!君がからかうから、赤くなっただけだっ」
ドラコはひどく不機嫌な顔をして、その場所から怒った顔をして立ち去ろうとした。
男子寮に戻ってしまったら、いくら男勝りのパンジーでも中へは入れない。
きっとドラコのことだ、一人で悩んで、一人でとんでもない答えを出したら大変だ。
時々ドラコは信じられない行動に出るときがあるからだ。
特にハリーが相手だと、なおさらだ。

「ああ、分かったから。とにかく座れ。ちゃんと悩みを聞こうじゃないか」
そう言ってパンジーはドラコの腕を取ると、また椅子に座らせた。
ぶすっと不機嫌なままドラコは俯いている。
「つまりだな、この手紙をお前はハリーからもらった」
「不本意だがな。内容も知らなかったし」
ドラコが言い訳がましく答えるのを見て、パンジーにはおかしかったが、それは表には出さなかった。

「封筒には宛名はなかったのか?」
またドラコはうなずく。
「内容はこの3行のみなんだな?」
「ああ、そうだが、何か疑問でも?」
「――――ふむ」
あごに指を当てて、パンジーは少し考える。

「……もしかしての話だが、この手紙に誰に宛てに書いているのか、記名がない。封筒から取り出して便箋を開くときにでも、もう一枚便箋を落としたりしなかったのか?」
「呪い付きかもと焦っていたので、よく覚えていないが、封筒を開けるとき指が震えていたから、もしかして落ちたのに気づかなかったかもしれない」
「……そうだな、一度その手紙をもらった場所へ戻って探してみるのはどうだ?」
「そうかっ!もしかして、もう一枚、便箋が落ちてあるかも!」
「誰宛なのか、ちゃんと分かってから悩んだらどうだ?」
「わかった!」
と言うが早いか、ドラコは立ち上がって、外へと向かっていった。

作品名:T&J 作家名:sabure