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らぶこめ

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リピートアフターミー



昼下がり、正十字騎士團京都出張所の一室に蝮はひとりでいた。
休憩中である。
今日は良く晴れていて、縁側から穏やかな日射しが入ってくる。
つい、うとうととしてしまった。
いつのまにか、机に腕を置き、その上に横顔を重ねる格好で、眠っていた。
しばらくして眼が覚めた。
そして、自分のそばにだれかが立っているのに気づく。
蝮は正座したまま見あげる。
柔造だ。
その眼がじっと見ている。
「し、志摩……」
「なあ、蝮」
なんとなく慌ててしまった蝮に、柔造は明るく言う。
「俺、柔造っていうんやけど」
「え……?」
「じゅうぞう」
「じゅう」
思わず柔造の言ったことを繰り返しかけて、蝮はハッとする。
「……って、そんなん知ってるに決まってるやないの!」
非難するように言った。
落ち着かない気分だ。
なぜか、わからないけれど。
蝮は立ちあがる。
「休憩時間はもう終わりやわ」
そう言い訳して、蝮はその場を去った。

隣の部屋とを隔てている襖が少し開いた。
「名前を呼んでほしいってハッキリ言うたほうがええと思うで」
「「私らもそう思います。姉様はこういうことにはかなりニブいので」」
金造と錦と青だ。
柔造は彼らのほうに眼をやる。
「なんや、おまえら、そんなところで仲良う盗み聞きしとったんか」
あきれたように言うと、ハァとため息をついた。






作品名:らぶこめ 作家名:hujio