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王子様、大激怒

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慌ててベルゼブブはティーカップをテーブルに置き、さらに携帯電話をつかんだ。
携帯電話には新しい着信履歴はない。
事前のメールなしの召喚だ。
ベルゼブブの身体が魔法陣の中に消える。
そして。
今度は魔法陣から現れた。
人間界へと出た。
ペンギンのような姿に変わったベルゼブブは魔法陣の描かれた床に立っていた。
いつもの芥辺探偵事務所の一室だ。
眼のまえには、所長の芥辺が立っている。
厳しい表情に重々しい雰囲気を漂わせているのは、いつものことだが、しかし、いつもよりも不機嫌であるように見える。
イラだちを感じる。
その迫力に押されそうになりながらも、ベルゼブブは芥辺の鋭い眼差しを受け止める。
自分を喚んだのが佐隈ではない。
それが気になり、芥辺を探るように見る。
芥辺が口を開いた。
「ベルゼブブ、おまえにかかっている結界の力を解いてやる」
その右の手のひらがベルゼブブのほうに向けられた。
次の瞬間、ベルゼブブの姿は魔界にいるときと同じの人間に近いものに変わった。
ベルゼブブは芥辺を真っ直ぐに見て、問いかける。
「なにがあったのですか?」
緊急事態が発生しているのはほぼ間違いないだろう。
そして、それが佐隈と結びついているような気がしてならない。
「仕事の依頼があって、さくまさんはアザゼルをつれて出かけた」
芥辺は説明する。
「さっき、アザゼルから連絡があった。ほんの少し別行動しているあいだに、さくまさんが姿を消したそうだ」
不安が的中した。
やはり、佐隈の身になにか起きたから自分が召喚されたのだ。
「さくまさんが姿を消したあたりで、アザゼルが待っている。俺は事情があって行けない。だから、ベルゼブブ、おまえが行ってくれ」
「わかりました」
即座にベルゼブブは返事した。
一刻も早く行かなければならない。
魔法陣の上を離れ、芥辺の隣を通りすぎる。
そのとき。
「ベルゼブブ」
芥辺が低い声で呼びかけてきた。
「必ず、さくまさんを見つけろ」
「はい、わかっています」
もちろん、そのつもりだ。
必ず見つける。
そう強く決意して、ベルゼブブは部屋の外に向かった。

アザゼルはビルの建ち並ぶ道で待っていた。
ビジネス街という雰囲気ではない。あたりには、いかがわしい空気が漂っている。
できるだけ早く到着するために空を飛んできたベルゼブブは、アザゼルを見つけると、下降した。
作品名:王子様、大激怒 作家名:hujio