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王子様、大激怒

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佐隈はソファに座っているのではない。
ソファに寝ている。
いや、正確には、ソファに押さえつけられている。
頭のほうには男がひとりいて、佐隈の腕を押さえていて、足のほうには男がふたりいる。
足のほうにいる男ふたりの片方は佐隈の足を押さえ、もう片方は佐隈の服を脱がしていたらしい。
四人のうち残りのひとりはビデオカメラを持っている。自分たちが佐隈にしていたことを撮影していたようだ。
佐隈の口にはガムテープが貼られている。大声で助けを求めさせないために違いない。
その着衣は乱れている。
シャツは、首の近くまで、まくりあげられ、ブラジャーもずりあげられて、豊かな胸がさらされている。
床に、佐隈がはいていたらしいジーンズが落ちている。
しかし、下着は身につけている。
どうやら間に合ったらしい。
アザゼルはほっとする。
けれども。
「テメェら、いい度胸じゃねェかァァァッ!」
部屋に怒鳴り声が響き渡った。
ベルゼブブだ。
王子様のような外見には似つかわしくない台詞を言い放つ。
「テメェら、全員、地獄見せてやらァッ」
完全に、ブチキレている。
アザゼルは息を呑んでベルゼブブを見る。
のちに、アザゼルは語る。あのときの友人はそれまで見たことのない憤怒の形相をしていて、その背中には轟々と燃えさかる炎が見えた、と。
ベルゼブブにとっては、今の佐隈の状態は絶対にゆるせないらしい。
「……あー、べーやん、ここは、まかせとくわ」
どう考えてもベルゼブブの圧勝だ。
自分が助ける必要はまったくないだろう。
実は血を見るのが苦手なアザゼルは、そう判断した。
ベルゼブブからの返事はない。アザゼルの言ったことは耳に入っていない様子で、男からビデオカメラを取りあげ、それを素手でバキバキッと壊している。
アザゼルはそっと身体の向きを変えて歩きだした。
部屋を出る。
背後からは破壊音と悲鳴が聞こえてくる。
さらに。
「あ、悪魔……!」
おびえの入り混じった男の声が聞こえてきた。
悪魔のようだ、という意味だろう。
すると。
「ええ、私は悪魔です。それが、なにか?」
ベルゼブブの冷ややかな声が聞こえてきた。
そのあと、また、破壊音がした。
アザゼルは立ち止まることなく進み、ドアを失った出入り口から廊下へと出た。

ベルゼブブは大暴れして男たち全員を倒すと、佐隈を保護してから、男たちに強制排便の力を使った。
失神していた男たちも眼をさまし顔色を変えていた。
かなりのビッグウェーブに襲われて、トイレに駆けこむ余裕もなかったはずなので、あの部屋はとうぶん使い物にならなくなるだろう。
作品名:王子様、大激怒 作家名:hujio