二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

緊急指令!鹿目まどかを抹殺せよ! リリカル☆マギカ(第2話

INDEX|36ページ/97ページ|

次のページ前のページ
 

 幸い、ナーガは、それでも、死んだわけではなく、
気を失って、ぴくぴくと、痙攣しているだけの様だ。

「じ、自分の造り出したゴーレムに、
――それも、宇宙空間で、踏んづけられるなんて!」
 笑っていいのか、突っ込んでいいのか、
フェイトは、プルプルと震えている。

「な、なかなか器用だ、――」
 なのはさん、それは、ちょっと、意味が違います。

 ナーガを踏んづけたゴーレムは、造り上げた術者が
気絶したせいか、魔力の制御を失い、ただの岩へと、
分解していった。

「ああ、もう何やってんだか!」
 頭を抱えるリナ。

(実験台に、すら、なりゃしない。)
 リナは、そんな事を思った。

 鬼ですか、あなたは?

「こうなったら、私の出番よ!!」
 リナの体から、強大な魔力が溢れだす。

「黄昏(たそがれ)よりも昏(くら)きもの、
血の流れより紅(あか)きもの、
時の流れに、埋れし、
偉大な汝の名において、
我ここに闇に誓わん、――――」

 リナは、自分の頭上に両腕を
掲げて、詠唱を続ける。

 その両手の間に、赤い魔力光が
形成され、そこに、禍々しい魔力が
集中していく。

「こ、この魔力の大きさは?!」
 黒まどかが、驚く。

 明らかに、人間の発生させる
魔力の許容量を超えている。

「これは、異世界の、魔王のチカラだ!」
 シグナムが、叫ぶ。 

 そうこうしている内に、
リナの詠唱が完了する。

「我らが前に立ち塞がりし、
すべての愚かなるものに、――

 我と汝がチカラもて
等しく滅びを与えんことを!!!

 ドラグ・スレイブ!!!(竜破斬!)」

 リナの両手の魔力光から、
撃ち出された巨大な魔力砲撃は、
広範囲を焼き尽くし、――
たった一撃で、まどか軍団の約2割を消滅させた。

「なっ、なんだあ、今のは?!」
 目が、点になっている杏子。

 なのはの、砲撃でも、これだけの、
威力は、なかなか出せるものではなかった。

「す、すごいっ!

 これが、伝説の魔道士の実力!!」
 なのはも、素直に感心する。

「よし! 敵軍の隊列が乱れた!
 
 今だよ、さくらちゃん!

 あの子に、例の物を届けに行って!」
 リナが、さくらと言う名の魔法少女に叫ぶ。

「はいっ! 分かりました、リナさん!」
 木之本(きのもと)桜は、元気一杯返事をした。

 彼女は、小学校高学年の年齢で、――バトン・トワラー
・コスチュームの意匠を含んでいる――
パーツごとに、赤とピンクを組み合わせた、
可愛さと、凛凛しさを表現した衣装を着ていた。
(この服は、魔法で造った物ではなく、
桜の親友の手作りである。)

「契約のもと、さくらが命じる! フライ!」
 さくらが、魔法の詠唱を行うと、
彼女の背中から、天使の翼のような、
羽が生える。

「木之本 桜、いっきまーす!」

 高速飛翔する桜は、まどか軍団を、うまくかわして、
いまだに、『戦いの因果の糸』に苦戦中の
ほむらの元へと、急行した。

「暁美ほむらさんですね?」
 ほむらに、声をかける桜。

「あ、あなたは?!」
 目の前に、突如、現れた魔法少女に驚くほむら。

「サリーさんに召喚された、魔法少女の1人です。
あなたに、渡す物が有ります」

「え?」
 驚くほむらを、尻目に、桜は
魔法の詠唱を行う。

「契約のもと、さくらが命じる! ホープ!」
 頭上に出現した『さくらカード』を手に取った
桜は、それを、ほむらに手渡した。

 そのカードには、赤いハート型を胸に抱く
天使の様な外見の女の子の絵、とともに、
『希望』と言う漢字が書かれている。

 カードの裏面には、中心に星型の有る、
見た事の無い魔法陣が描かれていた。

「希望?」
 ほむらは、不思議な魔力を放射している
カードを見つめた。

 すると、――『THE HOPEの、さくらカード』は、
柔らかな輝きを放ち、魔法の剣の姿に変化した。

「こ、この剣は?」

「それは、希望の剣、『ホープ・ソード』。

 その剣に、あなたの大切な人への想いを込めれば、
必ず、あなたの願いに応えてくれるはずです」

「うまく、……いくのでしょうか?」
 何度も、やってみて失敗しているほむらは、
自信を失いかけていた。

「なんとか、なるよ。

 絶対大丈夫だよ」
 ほむらの、手を握り、やさしく話しかける桜。

 その言葉は、桜自身を何度も助けてくれた、
『桜、最強の呪文』だった。

 そして、『木之本 桜』の暖かな微笑みは、
なぜか、『鹿目 まどか』のそれに、
とても良く似ていると、ほむらには、思えた。

 桜の言葉に勇気付けられるほむら。

「分かりました。 やってみます!」

 桜に託された『ホープ・ソード』を手に、
ほむらは、再度、『戦いの因果の糸』の
破壊ポイントへ、挑んだ。

◇ ◇ ◇

 シグナムは、シャマル達とは、
違う衛星の月面で、『鹿目まどか・レッド』と
戦っていた。

「やるではないかっ!

 あのリーダー格・軍団長とは、えらい違いだ!」
 シグナムは、驚いていた。

「彼女の時の様には、行きませんよっ!

 はあああっ!」

 この赤まどかは、シグナムの神速の剣を、
あえて防御はせずに、ギリギリでかわして、
カウンターの斬撃を、シグナムの急所を狙って、
正確に繰り出していた。

「そうかっ! 経験の共有化か?!

 貴様は、軍団長と、まどか軍団、全員の
戦闘経験を自分の物として、吸収したのか?

 でなければ、これほどの剣術が
使える理由が、分からん!

 それに、どうも太刀筋と動きに、覚えが有ると
思ったら、貴様は、惑星上で、テスタロッサに
化けていたヤツだな?!」

「大正解ですよ! さすがは、シグナム!」

 シグナムに激しい斬撃を打ち込みながら、
問いに答える赤まどか。

「しかし、本番は、これからです!

 真・スクワルタトーレ!!!」

 赤まどかの、連結刃(れんけつじん)が、
シグナムを正確に狙って、飛んできた。

 その剣技に舌を巻くシグナム。

「やるなっ!

 ならばっ!!」
〔シュランゲ・フォーム!〕

 お互いの連結刃が、相手の首を狙って、
火花を散らし、――――――

 ――ギャン! ギャリ、ギャリ、ギャリ――ン!!!! ――

「あ、………………」

「むむっ!」

「か、からまったぁ!!」

 2人のほぼ、中間で、2本の、連結刃が、――
複雑に絡み合ってしまっていた。

 ………………

「あ、あの、――シグナム?」

「何だ?」

「ど、同時に手を離しませんか?」

「いや、それでは、……」

「………………」

「ちょっと、待て。

 貴様の剣は、貴様が自分の魔力を集めて、
実体化させた物だろう。

 ならば、一度魔力の形態に還元してから、
再度実体化させれば、良いのではないか?」

「!! そ、そうでした!」
 言われて、やっと、解決策に
気付いた赤まどかは、自分の剣を魔力に
戻してから、再度実体化させた。

 シグナムも、レヴァンティンを、
通常の剣の形態に戻した。

「全く、利口なのか、『間抜け』なのか、
良く分からんな」