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緊急指令!鹿目まどかを抹殺せよ! リリカル☆マギカ(第2話

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 自分よりも、かなり背が高く、とっくに姉の年齢を
追い越して、立派な大学生となっていた弟、
『鹿目 タツヤ』の姿を目撃した、まどかは、
しばらくの間、号泣した。

 その、まどかを、なだめるのには、
さすがの、ほむらも、苦労したそうだ。

 もっとも、まどかは、高次元世界から、
家族の様子を見て、弟の成長を、知ってはいたが、
『神の立場』で、高次元から、人々を見下ろすのと、
同じ人として、近くで見るのは、勝手が違うらしい。

 まどかは、成長した弟を見て泣いた自分が、
『嬉しくて泣いた』のか、それとも、
『寂しくて泣いた』のか、今となっては、
分からないと、笑いながら、ほむらに言った。

 いずれにせよ、家族は、まどかの、記憶を完全に
失っており、直接、会う事は出来そうになかった。

 ――人間の体に、戻って、――自分の未来に夢や理想を、
持つ事が、出来るようになったのは、まどかにとっても、
幸いだったのだ。     ……その、はず……だった。

 …………

 ――まどかと、ほむらが、いろいろと、話し込んでいる間に、
卒業式のプログラムは進み、つつがなく、終了した。

◇ ◇ ◇

 卒業式の後、まどか達は――建物のすぐ外で、
杏子やマミと、合流して――これからの、
予定などについて、会話していた。

 そんな、まどか達に、なのはと、はやてが、
声をかける。

「まどかちゃん、ほむらちゃん、卒業おめでとう!」

 2人に花束を渡す、なのは。

「わあっ! ありがとう!」

「ありがとうございます」

「杏子ちゃん、マミさん、卒業おめでとうや」

 杏子と、マミに花束を渡すはやて。

「あ、ありがと」

「ありがとうごさいます、八神司令。

 それは、――いいんですが」

 はやてを、何故か、睨んでいるマミ。

「ん、何や?」

「どうして、いつも私だけ、『マミさん』なんですか?

 私だって、おふたりより、年下ですよ!(肉体年齢は)」

 マミが口をとんがらせて、そう言う。

「あ? ああ! そう言えば、そうや!

 こりゃまた失礼。

 ただ、なんとなく、そう言ってて、しもうたな。

 それがもう、習慣化しとった」

「うー。習慣化って、そんなー」

 まだ、不満げなマミ。

「まあ、これからは、直すよう気をつけるわ」

「えっと、それでね、この4人には、
今から、ちょっと練習場に来て欲しいんだけど」

 なのはの、この話に、――

「ええっ?!」

「い、今から、ですか?」

「な、何か、もーれつに、いやーな予感が!」

 まどか・ほむら・杏子の順に不安が伝わる。

「む――――!!

 こうなったら、もう誰が相手でも、
やるせないこの気持ちを、魔弾に変えて
撃ち込んでやるわよ!!」

 マミは、良いストレス解消になりそうだと、
やる気満々だが、果たして、…………?

◇ ◇ ◇

 練習場に到着した4人を待っていたのは、
ヴォルケンリッターの4人だった。

「げげっ!

 シグナムの姐御!

 と言う事は、あたしらの、模擬戦の相手は?!

 ま、まさか、――まさか?!」

 シグナムの悠然と構える姿に、うろたえる杏子。

「その、まさかだ、――と言ったら、
どうする? 杏子」

 シグナムが、『ニヤリ』と笑う。

「ひー!

 ま、負ける! 絶対、負ける!

 い、いや、死ぬる!

 死んでしまう!

 い、いやだー!

 やっと、人間に戻れたのに、
何もしないまま、死ぬのは、いやだ――!!」

 べそをかきながら、みっとも無く、叫ぶ杏子。

「と――言いたい、ところだが、今日の
お前達の相手は、我らでは、無い」   

 シグナムが、本当の事を言い放つ。

「へ?」

 ハトが豆鉄砲をくらったような顔の、杏子。

「その相手チームは、まだ来ていないようだ。

 すまないが、しばらく待ってくれ。

 そう言えば、――――」

 シグナムは、まどかの様子がおかしい事に
気付いた。

 まどかは、ほむらの後ろに隠れ、
ザフィーラの方を、ちらちら見ながら、
プルプル震えている。

 その目には、明らかに恐怖が浮かんでいた。

「やれやれ、鹿目まどかは、まだ――
『ザフィーラ恐怖症』が、治っとらんのか?」

 シグナムが、まどか達に尋ねる。

「はい、――まどか軍団が、消滅して、
まどかに、その魔力が戻った時に、
彼らの体験した何かの記憶が、まどかの中に、
移行したせいだと、思いますが、――」

 そう答えたのは、ほむらだった。

 問題のまどかは、まだ、青い顔で、ブルブルと震えており、
とても話の出来る様子では、無かった。

「だ、そうだ、――すまないが、
ザフィーラ、少し、後ろに下がり、
距離をとってやれ」

 シグナムは、苦笑しながらも、ザフィーラに指示した。

「む。心得た」
 ザフィーラは、不快な顔一つせず、
将(リーダーであるシグナムの事)の指示通りにした。

 恐怖心の対象が、自分から離れたので、
やっと正気に戻るまどか。

「ご、ごめんなさい。

 どうしても、あの人を見ると、足がすくんで」

 まどかは、自分でも理由が分からないらしい。

 そっぽを向いているシャマル。

(まあ、あれだけ怖い思いしたら、トラウマが残るわな。
 あの戦いの後で、シャマルを問い詰めたら、やっと、
何したか、白状したけど、これは、絶対、公表できへんなー。
いくら殺戮行為を計画しとる敵軍を止める為とは言え、
レイプ未遂って!)

 心のなかで、そう思うはやて。

「そう言えば、練習場の、このエリア設定は、
初めて見ますね」

 ほむらが、周囲を見回しながら、そう言った。

「どうして、綺麗な桜並木?」

 マミも、桜の木を見上げる。

「しかも、花見が、出来そうな、満開の桜だぜ」

 杏子も、美しい風景にため息をつく。

「これは、私とはやてちゃんが、暮らしていた
『日本』の『海鳴市』の公園にある桜を再現したモノなの。

 別れと、出会い、それに新しい旅立ちに相応しい花だから」

 なのはが、皆に、説明する。

「へへっ、鬼の教導官様も粋な事を」

 杏子は、なのはの、そんなところが、好きである。 

 まどかは、桜の木に触ってみた。

「完全に本物の木の、感触だ。

 これ、最初に、話、聞いた時は、びっくりしたよ!

 この戦闘エリアに存在する物、全てが、
魔力の実体化したモノだなんて」

 周囲には、かすかに、花の香りさえ、ただよっていた。

「そうね。――

 ええと、確か、レイヤー建造物って
言うんでしたっけ?」

 マミが、なのはに尋ねる。

「そう!

 弱い魔力弾でも、壊せるけど、
手で触れる事も、出来るし、高速で
衝突したら、当然、痛みも有るよ。

 隠れてもいいし、射撃魔法で、
死角から、撃ち抜くのも有り!」

 なのはが、改めて、解説してくれた。

「なるへそー」

 軽口を叩きながらも、すでに、いろいろと、
作戦を立てている杏子。