ペルソナ4 ~another persona player~
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5 -堂島家ー
「ただいま~」
「おかえり~、お兄ちゃん」
「あれっ、奈々子ちゃんってお兄ちゃんいたっけ?」
んん、聞いたことのない子供の声。それに、奈々子の靴のようで、そうでない靴。
友達がきてるのか。
「うん、前まではいなかったけど。今はいるの」
「そうなんだ。あっ、こんばんは」
「こんばんは、ゆっくりしていくといいよ」
といって、鳴上は自分の部屋に行く。
「ねえーねえー、奈々子ちゃんのお兄さん、かっこいいね」
「えっ、そうかな~」
「あっ、てれてる、もしかして」
「違うよ、そんなんじゃないよ」
「ふふ~ん、じゃあ、私が奈々子ちゃんのお兄ちゃんのこと好きになってもいいんだ」
「それは~~、ダメ。だって、ほら、年がはなれてるし、その~」
「その~何?」
「その~、もうー。そんなことより、ほら、私が書いたクマさんの絵」
「わあー、すごくかわいいね。」
「あのー、ジュースと、お菓子ここにだしておくから」
鳴上は、そっとそれらを置いて、部屋を後にした。さきほどの会話を聞いていた分、ココロがオドル。
部屋で宿題をやっていると
コンコン、ドアをノックする音。
「お兄ちゃん、入るよ~」
ドアが開く
「どうしたの、奈々子ちゃん」
もじもじとした奈々子が部屋に入ってきた。夕方から、様子が変だとは思ってたけど。
「あの~、その~、夕方、ジュース持ってきた時、あたしとあかりちゃんの話聞こえてきた?」
「いや、何も聞こえなかったけど」
「本当に本当?」
「本当に本当だよ」
「ふー良かった」
力が抜け、リラックスしたようになる奈々子。
「それで何か用があったんじゃ?」
「えっ、その、あれ。何か食べたいものあるかなって、今度お父さんがご飯につれてってくれるから」
「そうだな~、中華料理かな」
「わかった、ちゅうかりょうりね。お父さんにいっとく」
そういって、入ってきた時とは、段違いに元気にでていった。
奈々子は素直な子だな~
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6 ー高校の教室ー
「でさー、それで、上手いのなんのって。今度、鳴上をつれてってやるよ。ラーメン次郎に」
「ああ、そうしてくれると嬉しい」
見慣れない小さな女の子、制服を見る限り一年生が教室の入り口から、中を伺い
「見つけたわよー、里中千枝」
突然、自分の名前を呼ばれて、驚く里中。が、里中は里中である。
「突然、あんた誰なのよ」
「私は、白石日奈子。あんたをやっつけてやる」
「ははは。かわいい子が何をいいだすかと思ったら」
笑いを抑えきれず、うつむく里中。
「もおおおー、えいっ」
白石が、かわいい声とは正反対に、物凄く型のきまったパンチをくりだしてくる。
バコっ
パンチをもろにくらった里中は、笑いが原因なのか、パンチが原因なのか分からないが、悶絶する。
「どうよ、まいった」
「はー、はー、はー」息を落ち着ける里中。
「まいったじゃないわよ。痛いじゃない。あんた、何よ」
「私は、白石日奈子」
「それはさっき聞いたわよ、私に何のようなの?」
「いいわ、気付いていない鈍感娘のようだから教えてあげる。私は、「ジェネス・ヘイト・クラブ」の代表である、あなたを潰しにきたのよ。ジェネス様を悪くいう奴は許さないわ」
ピコっ、急激にテンションが下がる、里中。
「おいおい、おーい、どうなってるんだよ?」と遠くから花村の声が。
と、さきほどから、里中の横にいた天城が。
「それは何かの間違いですよ。千枝はそんな子じゃないわ。千枝はいつだって、正しいことをするんだから。」
「ふふ、私きいたんだから、そこのジャージ娘が「ジェネス・ヘイト・クラブ」、花村先輩の人気に嫉妬し、自分がふられたもんだから、逆恨みして群れている哀れなメス犬のリーダーだってことを」
「そんな、千枝なんとかいって」
「え~、あの~」
「おいおい、里中、何で黙ってるんだよ」わって入る花村
「あっ、ジェネス、花村様、ど~しそ~、先輩がこんなに近くに・・」
急にそわそわしだす、乱入者こと白石。
「そーだよ、里中、そんな態度じゃ誤解が広まるだけだ。はっきりいわないと」
鳴上も入ってくる。
さきほどからもごもごと、何やらいっている里中。
(どうしよ~、まだ、ジェネクラ(ジェネス・ヘイト・クラブ)の事みんなに言ってなかったのに、でも、折角、そこまでして調査したんだから、今、ばらすわけには~)
「ほ~ら、どうやら真実のようよ、ジャージが黙ってるもの」
どこか満足げな白石。
(こうなったら)
「ははは、そうよ、私は、ジェネクラの代表。花村なんて大嫌いだわ。」
「千枝~。」「ななななな、なんだって、里中、」「やっぱり、そうだったんだ」
(すまない雪子。花村はいいとして、何で納得してるのよ鳴上君は)
「あんたみたいなチビッコは、私が成敗してくれるわ、はー」
いきなり襲い掛かる、千枝。
「わあああ」
とっさの反応だが、素人とは思えない、反応をみせ、攻撃をかわす。
(やっぱり、この子、武道の経験者?)
「さすが、性悪ビッチ、攻撃にまでその性格があらわれるなんて。ふれただけで、穢れそう」
「この~~~、もお~、怒ったんだからね、容赦しないんだから。私の、必殺カンフーコンボでいちころよ」
と、何かのカンフーのポーズをとる里中。
「とりゃ」とび蹴りを放つ。
ひょいっとよける白石。
と、教室に入ってきた、倫理の盛岡にとび蹴りがあたる。
「くわっ」
「あ、やばっ」焦る里中
「知らな~い」そそくさと逃げる白石
「あ、逃げられた、くそ~」
「まて、ジャージ娘、私にとび蹴りをくらわすとは。腐ったみかん帳に名前を刻み込んだからな。覚悟しろ。」
不気味に微笑んだ、盛岡の表情は、いつも以上にひどかった・・・
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7 ー高校の記念堂ー
「何で俺らまで、里中の記念堂の掃除につきあわなきゃなんね~んだよ」
「いいでしょ、元わといえば、あんたが原因なんだから」
「私は、べつにかまわないけど」
「雪子はべつによかったのに」
「いいえ、私も特別捜査隊の一員なんだから、手伝うのは当然よ」
「そうだよ、里中だって事件を解決しようと、必死になってやってくれたんだろうから、手伝うのは当然」
「雪子~、鳴上君。花村もこのお二人を見直しなさい。爪の垢でも飲みなさい」
「天城の爪垢か~」
「げっ、あんた、キモ。近寄らないでよ」
「ふふ、ふはははははは、爪の垢だって~ふっ、ははははは」
「あちゃー、でた天城の笑い上戸。」
「ちょっと、雪子」
「で、里中、そろそろ、ジェネクラについて教えてくれないか」
「うん、あのね、花村の嫌いな奴を探し出すにはどうすればいいかって考えたら、花村を嫌いな振りをして、聞きだすのが一番だと思ったの。それで、どばっとね」
「おい、一番大事なとこ「どばっと」で飛ばすんじゃねーよ」
「てへ」、わびるポーズをとる里中。
「かわいくねーから、今更、かまととぶるんじゃねー」
「かまととって、あんたいつの時代の人間よ、昭和」
「まあまあ、千枝。で、続きは」