ペルソナ4 ~another persona player~
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9 -堂島家玄関ー
「おーい、里中きたぜ」
「ああ、ちょっと待ってて」奥から声が聞こえる
「あっ、奈々子ちゃん、こんにちは」
「えっと、千枝ちゃんと雪子ちゃん、それに、ジェネスさん、こんにちは」
「奈々子ちゃん、俺はジェネスじゃなくて花村だよ~」
「何余計なこといってるのよ、花村、奈々子ちゃんがかわいそうじゃない」
「え、なんで~、不定りな」
「そうだ、奈々子ちゃんもいっしょに出かける。これからジェネスに行くんだけど」
「ええっ、私も一緒に行っていいの?いいの?」
「もちろんよ~、このお兄ちゃんが、何でも買ってくれるわよ」
「行く行く。でも、何か買ってもらうのは・・」
「平気、平気、花村はそのためにいるようなもんだから」
「おい、俺をATM扱いするなよ~、奈々子ちゃんが里中みたいになったらどうするんだよ」
「何ですって」バコっ
「じゃあ、私、準備してくるね」
-ジェネスー
「エビバデイ、ヤンライ、ジェ・ネ・ス」
「上手い、上手い~、奈々子ちゃんすご~い。奈々子ちゃん将来歌手になるかもね」
「えへへへへ」
そんな里中と奈々子ちゃんを見ながら
「とほほ~、何で里中の分まで俺がおごることに」
「いいじゃないか、楽しんでるんだし」
「じゃあ、鳴上がおごってくれよ」
「いや」
「そういうとこきっぱりしてるのね」
「おまたせ~」
天城が戻ってきた。
「あ、雪子お姉ちゃん、何買ったの」
「えっとね、ちょっとお使い頼まれてて、ほら、旅館で使う簡単な備品とか」
「そうなんだ~、雪子お姉ちゃん凄いな、綺麗で、やさしくて、おまけに仕事してて」
「大丈夫、奈々子ちゃんも大きくなったら天城みたいな女の子になれるさ。間違っても里中みたいにならないよ。安心していいよ」
「誰にならないって~」パコっ
「なあ~花村。何か見られてる気がしないか。」
「そりゃ~、美人の天城がいるし、ジェネスの息子の俺がいるからじゃねえ~」
「いや、そういうのじゃなくて」
「あ~、あそこ~」奈々子が絵画用品があるコーナーを指差す
「奈々子ちゃん、絵好きなの」
「そういえば、奈々子ちゃん、絵得意だったよね」
そういって、天城と鳴上と奈々子ちゃんが絵画用品のコーナーに行く
ー絵画コーナーから少し離れた通路ー
「俺ら肉体派は、ここでお留守番っと」
「あんたといっしょにしないでよね」
「何をいまさら、里中と比べると、まだ俺の方が女っぽいぜ」
「何を~」ヘッドロックを決める里中
ー近くの物陰ー
「あのおんな~~~~、花村先輩を~~~。ゆるすまじ、暴挙」
「あの、こんなストーカーみたいなことやめようよ、白石」
「何いってるの、これはれっきとした人助けよ。あのジャージ娘に「ぎゃふ」といわせて、先輩を救わないと。そうだわ、いいこと思いついた」
「悪い予感」
「よし、ついてきなさい、今から説明するから」
しぶしぶながらも従う少年。
ー絵画コーナーから少し離れた通路ー
「でもよ~、誰なんだろうな、あの謎のペルソナ使い」
「そうね、次の犠牲者が出る前に見つけて、仲間にしないと」
その時、里中は後ろから急に押されて
「うわあああ」
「ちょっと、おい~」
倒れる二人。
「いたたた、何すんだよ、里中」
「ごめん、いきなり後ろから押されて」
里中が花村を押し倒す形になっている。
バシャ、パシャ、パシャ、その音の方を向く二人
「いい写真ゲット。ジャージにはもったいないけど。この写真をばら撒いて、ジャージが花村先輩を押し倒したってみんなに教えてあげるんだから」
といって、逃げさる女の子。
「え、あ、あんた、なんてかっこうしてるのよ」
「え、それはおまえが~」
とりあえず、花村をポコスカ殴る里中。
「それより、あのがきんちょを捕まえないと、追うわよ」
といって、走り出す里中。
「どうしたんだ、花村、今、悲鳴が聞こえたけど」
鳴上、天城、奈々子ちゃんが近寄ってくる
「ああ、大変なんだ。あの子、里中を殴った学校の女の子が、俺たちの、その、変な写真をとって逃げたんだ。すぐに探さなきゃ。里中は今追いかけていったし。」
「そうか、なら、手分けして探そう。天城、奈々子ちゃんをよろしく」
「わかった。何かあったら連絡して」
「お兄ちゃん大丈夫」
「ああ、大丈夫だよ。すぐに戻ってくるから、それまで天城お姉ちゃんといてね」
「うん、そうする。気よつけてね」
「ああ」
「よし、花村、いくぞ」
「おお、相棒」
ー中央広場ー
「はー、はー、はー。見つかったか、里中」
「いや、全然、あの子、足早くてすぐに見失って」
「こっちもだめだ、どこにもいない」
「そうか、どうする。」
「とりあえず、ビフテキ」
ーフードコートー
「あー、おい、ほら、あそこ」
「あの娘~。私をつきとばしといて、私のビフテキを食べるとはいい度胸ね」
「別に里中のビフテキじゃ~」
「よし、三人で囲い込むように接近して捕まえよう」
「「了解」」
「だからいったでしょ、楽勝、楽勝、ジャージ娘ごときこれで、いちころよ、いちころ」
手で銃の形をつくって机上の紙コップに向けて、バンバン撃っている。
「でも、いいのかな、あんなことして」
「正義の鉄槌よ。いいざまだわ」
「あっ」
「んん、何、又何か面白いものでも見つけた」
「あなたの頭上に輝く死兆星を見つけたのよ」
白石がとっさに後ろを振り向くと、そこにはジャージ娘が。
「ぐわあああ」前から声が。
銀髪の男に田中が捕まった。確かあの銀髪、いつも花村先輩といっしょにいた。
くうう~~~~~、逃げなきゃ。
「おっと、どこにも活かせないぜ」
「は、花村先輩!!!!そんな、そんな大胆なこといわれたら」
「何、顔を赤くしてるのよ」ジャージ娘が言う。
そうだ、逃げなきゃ。
「これでもくらいなさい」といって、とっさに手に持っていたビフテキをジャージ娘に向かって投げる。
「ああ、ビフテキが~」ジャージ娘の注意がビフテキにいったところ、脇をすりむけ、駆け出す。よし、このまま逃げ切れる。
「おい、里中、ビフテキに注意そらされるって、犬かよ」
「くう~~肉をそまつにするなんて、ますます許せないわ、追うわよ」
「はいはい。鳴上。そいつ頼むわ~」
そういってかけていく二人。
「あ、いっちゃった。どうしよう」
目の前で、震えている少年を前にとまどう鳴上。
ー食品売り場ー
「あの子、ちょこまかと」
里中の前には、ジグザグと人ごみを走り向ける女の子。
そうだ、里中はあることを思いつく。
ージェネス、駐車場ー
「よ~し、もう逃げられないわよ。観念しなさい」
「くうううううう」
「外にでた時点であんたの負けなのよ。外はだだっぴろい駐車場、そこでは追う側の私たちのほうが有利になるの。障害物がないから。すぐに包囲よ。まいったか」
「里中、そんなにいばるなよ~」
「あんたみたいな、鈍なんかに、つかまらないんだから」
「強がるのはそこまでよ」女の子を捕まえようとする、里中。
っと、その時。空間を切り裂くようにして響く声
「ペルソナ」