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契約の代償〈第二章めぐりあい輪廻 P31ガブリエル回想UP〉

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魔族の青年と共に少女が消え去ってから、金髪の青年は一週間その宿で待ち続けた。しかし、待てど暮らせど少女は一向に帰ってくる様子はなかった。
「ゼロスは、待てと言った!」
「どうして、リナは帰ってこないんだ!」
痺れを切らした金髪の青年は、少女の実家に向かった。実家に着いた青年は、激しくその木の扉を叩いた。
しばらくすると、扉がすうっと開いて、少女の姉が立っていた。
青年はその姿を見て、前とは違う印象を持った。一週間前会ったときの女性と何かが違う。なにか、背中から重圧に開放され、抜け殻のように儚げだと金髪の青年は思った。
「ガウリイさん・・・。来ると思っていましたわ。さあ、どうぞ。あがって。」少女の姉ルナは金髪の青年ガウリイを家に招きいれ、テーブルへと座らせた。
「お茶でもいかが?」そう聞かれたが、ガウリイは首を振った。
「結構です。それより、お姉さん。リナは魔族に連れて行かれた。そして、帰ってこない。これもすべてあなたからの小包が原因なはずだ。」あなたは何か知ってるんじゃないのか?教えてくれ!何も知らないんじゃ、俺は納得できん!」青年は、あの時のことを思い出し、苦々し気持ちを潰した。
その様子をルナはそっと見続けた。
「ええ。そうですね。リナの恋人のガウリイさん。納得できないでしょうね。」そして、節目がちに話した。
「あなたはリナが病気に罹っていることをご存知でしたか?」
不意打ちを食らったかのように、金髪の青年はルナの顔を見る。
「あの病気は人に染つるものなのですよ?そして、ゆるやかに確実に罹患者を死に至らしめる。」

そして、少女の姉は語った。

ねえ、ガウリイさん。きっとガウリイさんはご存知だと思いますけど、私はスフィードナイトでした。私の体にスフィード一部が宿っていた。私の使命はこの世界の均衡です。
でもね、それとその前に私はリナの姉であるんですよ?
私はリナを誰よりも愛しているのです。私はリナを失うことができない。リナの死は許せない。

静かに、説明すると、ルナは優しく微笑んだ。
「だから、私は自分の力。もう、ほとんど私の命と変わりないのだけれど・・・それを代償に魔族と取引をしたのです。
 
      ≪リナに永遠の命を≫

と。だから、リナは永遠の命を手に入れたときに、帰ってくるでしょう。私の命は、スフィードと共にあったので、私はあと数年で命も尽きるでしょう。でも、私のリナは永遠に行き続けるでしょう。」
そして、ゆっくりと諭した。
あなたはもうリナと共には生きてゆけない。
あなたの命では短すぎると。それはリナにとって辛すぎる結果となる。
「どうかお願いです。あの子を愛しているのなら、あの子を忘れてやってください。」
ルナは金髪の青年に向かって深々と頭を下げた。
「俺は・・・俺は・・・」
金髪の青年は頭を抱え、唸った。