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契約の代償〈第二章めぐりあい輪廻 P31ガブリエル回想UP〉

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少女は闇を渡った。
もう、闇を渡るのも充分に身についていた。

姉に言われた言葉を思い出していた。
「ガウリイさんは、サイラーグヘ行き、シルフィールという娘と一緒に復興を手伝うといって出て行ったわよ。きっと、その女性のことが気にかかるのかしらね?リナ、もうあれから2年の月日が経っているわ。もう、彼のことは忘れなさい。」優しく諭された。
少女もそのことを頭の中で理解していた。自分は何も言わずに、彼の元から去った。しかも、最後はあの魔族の青年にキスされた様を見せつけて。
不本意とはいえ、きっと、自分のことは諦めたに決まってる。そう思った。
でも、彼を一目でもいい。愛していた彼の幸せな生活を見たかった。
だから、少女はサイラーグへと向かった。でも、愛した青年はサイラーグにはいなかった。
シルフィールを尋ねても、ガウリイは一度も自分の前には現れていないとのことだった。彼女は別のたくましく頼りになりそうな男性と結婚していた。
「まぁ!リナさん!懐かしい!リナさんって本当何年たっても、あのときのままの姿なんですね?ガウリイさん?ガウリイさんは一度もわたくしの前には現れていませんわよ?どうしたんですの?リナさんとガウリイさんはご結婚なさってるんではないのですか?」と、可愛らしく首を傾げた。
とうとう、少女はガウリイは見つけられなかった。
少女は金髪の青年を探して方々を飛んだが、彼の手がかりはひとつもなかった。