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契約の代償〈第二章めぐりあい輪廻 P31ガブリエル回想UP〉

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目の前でたくさん並べられた様々な料理は、どんどんとこの金髪の青年の胃袋の中へと姿を消していく。彼の胃袋は無尽蔵のようだ。
『期限は3日間』
少女の頭の中で、その言葉が何度も何度もよぎっては消えていった。
「一体どうしたら・・・」自然と不安な言葉が口をついて出る。
『いい?リナ。この小包を獣王ゼラス=メタリオムまで届けて頂戴ね?』と、言われたことも思い出し、少女は更なる恐怖で、震える自分の体を思わず抱きしめていた。
(なのに、あたしってなんて馬鹿なんだろう・・・!)
期間限定の途方もない依頼であるのにも関わらず、少女はあの小包をなくしてしまっていたのだ。昨日の夜はきちんt持っていたはずなのに!
おかしい!おかしすぎる!!
少女はあまりにも大切なものであったので、少女の荷物の中の奥のほうに大切にしまったはずなのだ。それを紛失させてしまうなんて!
かばんの中のどこをどう探してもない。さらには部屋中と言わず、宿中を探しても見当たらない。
昨日の泊り客であったであろう人々やこの宿で働いている人たちを魔法で脅してもさっぱり行方知れずだった。

金髪の青年を見て、まさか・・・と、思い。
その視線に気がついた青年は、一瞬たじろぎ、「何度も言うが、俺じゃないぞ!」と、言った。
物がないんじゃ、届けば場所がわかっていったって、できっこない。
朝起きて、失くしてしまったのが発覚してから青ざめ、どこにあるかを一日中探したのだ!
「だいたいあの小包はなんなのよ〜!」少女はうなった。
少女は不思議に思い聞いてみたものの、姉はまったく教えてくれなかった。
「大切なものなのよ。途中であけてしまってはだめよ。リナ。」
姉はそれだけを告げた。
  その言葉だけで、小包の中身はなんだろうという好奇心は少女の心の中から消えうせた。どうせ、ろくでもないものに決まっている。
とにかく、この依頼やり遂げなければ、どんな恐ろしい姉からのお仕置きが待っているのか・・・
少女はそれを想像するだけで、足元から震えが止まらなくなるのであった。
一体自分はどこで落としたのか、もう一度振り返ってみることにした。
心あたることといえば、昨日はどうやって郡狼の島へ行くのかを考えていた。
アイツを捕まえるしか方法はないような気がするのだが。
(夜になって、こんな仕事やってられるか〜と、思い、酒場に行ったのが間違いだったかな・・・)と、少女はあははと軽く笑った。

(昨日、ガウリイを置いて、ワインを呑みに行ちゃったのが間違いだったかな。いや〜心当たりありありじゃん!あわわ・・・)
(実家でゆっくりできる甘い夢は姉ちゃんによって木っ端微塵にされてしまって、アイツに会えばこの依頼もすぐに片付く!
 だから今日ぐらい呑んどくかー!)なんて、気持ちが大きくなりすぎてしまったことが原因かもと、少女は思って慌てた。
嫌なことは続くものと相場は決まっている。
そんな注意力散漫なときにきっと誰かに盗まれてしまったのだ。
サーーーーー。
少女の全身から血の気が引いていく音がした。

ああ!
これは・・・
絶対に。姉ちゃんに
コロサレルーーーーーー!!
ギャーー!!

もう、少女は恐慌状態。
「ガウリイ・・・!あたしもうだめ!あさってには首がつながってないかもしれないわ!!」少女はバン!とテーブルを叩くと立ち上がった。
「おいおい。冷静になれよ。大丈夫だって。あと、一日あるじゃなういか?
 なんとかなるよ。」パスタを食べながら、冷静なガウリイ。
「そうよね。そう。冷静にならなくっちゃいけないわ!あたしはシャブラニ=グドゥすら倒した美少女大魔道士よ!あたしなら、こんな問題解決できるはずよ!!」
「そうだ!その意気だ!深呼吸だ!リナ。」
ガウリイの誘導で、リナは深呼吸をする。
すぅーふう〜
「イタ!あ〜胸が痛いわ。あたし、今回の問題が終わったら、絶対2〜3歳は老けていそうだわ。」と、依頼は問題にもうすっかりに摩り替えられていた。
「それにしても、もし、あたしの荷物から、あの小包を盗んだやつがいたら、絶対許さないわ!!あたしに、こんな思いをさせといて!どんなことがあっても地の果てまでも追いかけていって、絶対に、復讐してやるんだから〜〜!!」
ぜーぜー
ガウリイはそんな様子に苦笑いだ。
この問題に関係ないやつは本当にうらやましいと、リナはじと目でそう思った。
「ああ〜こんな問題もっと、早くゼロスを見つけられていれば、あの小包をなくすこともなかったのに。」机にため息をつき、ぼやく少女。
「あいつの上司が今回の終着点なんだから。」
はぁ〜と。ため息。
「そうだなぁ〜。見つかるよ。すぐ。」
「一体そんな根拠どこにあるのよ?あたしたちポコタの一件以来、あいつの姿なんかトンと見かけてないじゃない?あれからかれこれ2年は経とうとしてるわよ。」
そうだったっけか?と、首をかしげるガウリイ。
「今回だって、あいつの情報がないか、魔道士協会に情報を求めにいってみたけど。全く、なかったじゃない〜!」少女は、両手を挙げ、首をふるふると振った。
お手上げよ。

「そうか?でも、俺はあいつの気配を近くに感じる時がよくあるぜ?」

青年はグラスに入った葡萄ジュースを一気に飲むと、空になったグラスをテーブルの上に軽く乗せた。