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契約の代償〈第二章めぐりあい輪廻 P31ガブリエル回想UP〉

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少女は青年の姿は仮そめのものだろうが、背は金髪の青年よりも高いんだなぁと改めて感じた。一体どんな代償を取られるんだろう。
魔族の青年はクスクスと笑う。
「リナさんから僕に近づいてくれる仕草って、意外とかわいいんですね。恥ずかしがちゃって!」
「違うわ!怒」

でも、リナさん。
まだまだ離れすぎです。
 僕とアストラルサイドを飛ばなくちゃいけないんですから、もっと接近していただかないと。もっとですよ。そんなに嫌がらないで。

「まさか!この嫌がらせが魔族の代償!?」少女は心の中でそう叫んだ。

もっと近寄って。
はい。これでいいでしょう。

「早く連れて行ってよ!」少女は普段テリトリーに入れない人を至近距離に感じ、居心地が悪く感じた。それに、恋人のガウリイの視線も加わっているものだから。いかに、姉の命令であってもなんだか罪悪感が出てくる。
「ほら、僕の体にしがみついてくださいよ。」

「へ?」

少女は青年によってあっという間に、両肩をがっちりと捕らえられていた。
突然の事に、少女は魔族の青年の顔を見た。紫色の瞳がちらっと見え、彼はにこりと笑った。

「僕の契約は、前払いなんです。」

言うが早いか、青年の端正な顔がいきなり近づいてきたかと思うと、少女の唇を奪っていた。