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Love of eternity

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7.

「―――今宵、私を抱け。この穢れた身体をおまえが清めろ。それができぬというのならば、その薬とやらは破壊する」
 アイオリアは衝撃的な言葉にうろたえることも出来ず、ただ呆然とシャカを見つめた。
「……今、何て言った?」
 ざぁざぁと耳の鼓膜に血流の音が響く。
「この穢れた身体を抱けといったのだ」
 穢れた身体……穢されてしまった身体だというのか?
 その不要な肉を一切必要としない、引き絞られた美しい肉体を。俺を守ろうとして、残酷な仕打ちを受けたおまえの美しい身体を痛めつけろというのか?
 おまえを穢せとういのか?
 癒えぬ傷を深く抉れと……おまえは言うのか?
「―――できぬか?であろうな。このような男娼の如く卑しき私に触れるのも汚らわしいであろうに。戻れ、アイオリア聖域に……私は私の思うままに行動する」
 すいと離れたシャカはアイオリアを置き去りにして扉の奥へと静かに向かう。
「―――待て、シャカ。俺は返事をしていないぞ」
「答えは決まっているのであろうが。その沈黙が何よりだ……違うかね?」
 立ち止まったシャカは背を向けたまま、振り返ろうとはしなかった。
「おまえが穢れているとは俺は思わない。俺が恐れるのは……おまえをこれ以上傷つける行為をすることだ。何故そうしなければならないんだ?何故、おまえはそうまでして自分を痛めつける必要があるんだ?教えてくれ。おまえの本心を。真実を!」
「なぜーーー君が恐れる」
 シャカが俯く。
 サラリと金色の髪が流れた。
「俺は…守りたい。おまえが大切なんだ。友として、同僚としてーーーいいや、違う。おまえだから、おまえだからこそ!傷つけたくない、大切にしたい。おまえを蝕むすべてを焼き払いたい。おまえに蝕む闇が憎い。その記憶に刻み込まれた悪意を許せない。すべて消し去り、俺だけを思って欲しいと思うのは俺が傲慢だからか?」
 全身全霊をかけて、シャカの心を取り戻そうと必死になる。
 なぜこんなにも、必死になる必要があるのか、うっすらとわかり始めていた。
 シャカの心に届いて欲しい。この気持ちを。
 切ないほどに狂おしい想いを。
「―――おまえの本心から俺に抱かれたいという願いであるならば、俺はおまえを愛そう。心の底から、魂の果てるまで。でも、そうではなくて、ただおまえ自身が、自虐的に己を追い詰めるためだけであるならば、俺はおまえに無理にでもこの薬を飲ませる!」
 一気に捲くし立てるように言い連ねる。ぜぇぜぇと荒い息をアイオリアは吐いた。シャカは相変わらず背を向けたまま、天を仰ぐように顔を上げた。
「……君は今言ったことが、どういう意味かわかっているのかね?」
「―――凄いことを言ってしまった気が…する……」
 気の抜けたようにぺたりとアイオリアは床に座り込んだ。
 なんか…凄いことを…物凄く、恥ずかしいことを口走ったような。一気に体温が上昇する。
作品名:Love of eternity 作家名:千珠