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Love of eternity

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4.

 緩やかに舞うシャカの黄金に輝く髪の一本一本の動き、規則正しく吸っては吐き出される息遣い……シャカの鼓動さえも感じるほどに。
 まるで逃げ水のように流れるシャカの動きをようやく止めることが叶った瞬間、息が触れ合うほどに間近にあったシャカの瞳がそっと見開かれ、その蒼い瞳に心を奪われた一瞬、隙が生じた。
「……足を払い、相手の腕を取り、捻り上げる!」
「!?……うわっ!!いててててっ!!」
ダンっと勢い良く床にねじ伏せられたアイオリアはギブアップとばかりに、自由なほうの手で床を叩いた。
「……一瞬の隙が命取りとなる。よく肝に命じておくのだな、アイオリア。おまえたちは皆見目良き者たちだ。このように愚かな男心を上手く利用するがいい」
ほほほと上品な女たちの笑いが上がる。
「―――うるさい。」
「まったくだ。こんな美女たちに見つめられたら、きっと戦意喪失するだろうて」
「おまえも黙ってろ!」
 にやにやと笑うアルデバランに向かって真っ赤になって吠えるアイオリアの上からようやくシャカはふわりと退くとアイオリアに手を差し伸べた。
「良き手本となってくれた」
「ぜんっぜんっ、嬉しくない!」
 ふんとその手を取りながら起き上がると、捻り上げられた方の腕をぐるぐると回す。
「イテテ……手加減しろよ、少しは」
「それしきのこと、おまえならば何ともなかろうに大袈裟な。まぁ、あとで茶でも馳走しよう」
「―――本当に嬉しくない」
 むんと眉を寄せるアイオリアを無視してシャカは女官たちに向き直る。
「今日はこのへんで仕舞いにする。もうじき本番だ。時間を作って練習するように。では行こうか。二人とも」
 するとアルデバランは「しまった」というような顔をしながら、ぼりぼりと頭を掻いた。
「悪い、シャカ。俺はミロのとこに顔を出さんといかんかった。今度馳走に預かる」
「そうか…では、また寄ってくれ」
「ああ。じゃあな。アイオリアも」
「え…あああ。またな」
 そういうと別方向に走り去っていくアルデバランの後ろを呆然と眺めていたアイオリアに声がかけられる。
「どうかしたのかね?行くぞ」
「いや。なんでもない」
 そう言いながら、シャカの横に並んで歩き出した。

作品名:Love of eternity 作家名:千珠