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Love of eternity

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2.

「な……なんなのだ…いきなり、おまえら」
「なに、気にするな。ちょっとした面白いことが今からあるんだよ。大人しく顔貸せ」
「別におまえをとって食うわけじゃないから、安心しろ。アイオリア」
 突如、獅子宮に訪れたアルデバランとデスマスクに虚をつかれて面食らっているアイオリアを余所に、がしっと両脇を固めた大柄二人組みは引き摺るようにしてアイオリアを拉致した。
「ちょ……待てって!俺は用事があるんだって!」
「用事ったって、どうせシャカと待ち合わせとかなんかだろうが」
「そうだ!だから、宮にいないと……」
 ジタバタと暴れて逃げようとするアイオリアにチッと舌打ちしたデスマスクはアルデバランに問答無用とばかりに命じた。
「アル、こいつ煩いから落としちまえ」
「え……いいのか?デスマスク?」といいつつ、ぐいと太い腕をアイオリアの首に回したアルデバランはほんの少し良心を咎めながらも、遠慮なく絞めにかかった。
「すまんな、アイオリア」
「お…ご……っ!ぐぇ……」
 くたりと大人しくなったアイオリアをアルデバランに背負わせて、ケケッとデスマスクは笑った。
「獅子捕獲!楽勝、楽勝」
「本当にいいんだろうか……後が恐い気がする」
 背中で伸びているアイオリアをちらりとアルバランは見ながら、自分の身の上を心配した。
「なに、大丈夫、大丈夫。ああ、でもシャカには黙っとけ。殺されそうだからな」
「……そんな恐ろしいこと、するはずない」
 能天気なデスマスクの答えにアルデバランは額に脂汗をつーっと浮かべながら、祭事の宮までアイオリアを運搬する。
 到着した祭事の宮では夕闇の中、篝火が焚かれ、準備もほぼ整っていた。出迎えた女官たちが背中に背負われているアイオリアを困惑しながら心配そうに見るものだから、苦笑を浮かべながらソソクサとアルデバランとデスマスクは奥へと向かった。
 そこには他のメンバーたちも顔を揃え、主賓席にはすでにアテナの姿もみられた。
「あら、アイオリアはどうしたんですか?」
 アテナの横の席にぐったりとしているアイオリアを下ろしたアルデバランは視線を逸らしながら、引き攣った笑いを浮かべた。
「ああ、どうぞお構いなく、アテナ。ちょっとばかり連れてくるのに難儀したので、眠らせただけですから」
 へらへらとデスマスクが言っているのを脇目で見ながら、アルデバランは内心では「眠らせたんじゃなくて、気絶させたの間違いだろうが」と思いつつ、黙って聞いていた。
「まぁ……大丈夫?ちゃんと目を覚ましますか?」
「両頬引っ叩けば目を覚ましますから、ギリギリまで寝かせときましょう」
 そのほうが余計な言い争いにならないだろうから……とは言わずに愛想笑いを浮かべるデスマスクとアルデバランに「そうですか」と沙織はにっこりと笑んで返した。
「―――おや、やっと主役が到着したんですね。なんだか、アイオリアの様子がおかしいですけど」
 にっこりと邪笑を浮かべながら、アイオリアに手を伸ばそうとしたムウの手をデスマスクが慌てて押える。
「起こすんじゃねぇ……」
「よっぽど素敵な方法で連れてきたんですね?デスマスク。シャカにそれとなく伝えておきましょうか?」
 目を細めながら、意地の悪い微笑を浮かべるムウにヒクリと口端を引き攣らせながら、デスマスクは睨み付けた。
「なにが望みだ!この性悪羊がっ!!」
「失礼な。そうですね……聖衣の修復に1Lほど血液が欲しいなぁ…と、丁度思っていたところですけどね」


作品名:Love of eternity 作家名:千珠