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【Livly】誰も知らない物語

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喰らうもの


ここ最近、ルチルはご機嫌だった。
帰るとサファイアがいる。
眠るときもサファイアがいる。
朝起きるとサファイアがいる。
それがこんなに幸せなんて。
みんなに自慢してまわりたかったが、どうやらモンスターというのはよっぽどリヴリーから嫌われる存在らしいということが、だんだんルチルにもわかってきていた。
まさか自分がモンスターと暮らしてるなんて。
それは決してばれてはいけない秘密だった。
ルチルの看病のおかげもあり、サファイアの怪我はだんだん治ってきた。だがそれが時々、不安になる。
サファイアが元気になったら、きっと自分から離れていってしまうだろう。
そしたらまたひとりだ。
前はまだ寂しさにも耐えられたが、もし再びあの殺風景で寂しい島で過ごすと考えたら、それだけでルチルはおかしくなってしまいそうだった。
もちろんそんな不安は、サファイアには見せない。
自分のそんな愚かで我侭すぎる欲望は決して知られてはいけない。
きっと嫌われてしまうから。
時期が来てまたひとりになるより、今嫌われてしまう方がずっとずっと辛いから。