【Livly】誰も知らない物語
チームを抜ける
ルチルの変化に気づいていたのはおそらくただ一人、リーダーだけだった。
最近、ルチルはよく集会に遅刻してくる。
別にルチルがいてもいなくても構わないのだが。
それにしても、他のメンバーにいじめられても、めげなくなっていた。
前は一度反抗して見せた。
これにはリーダーも驚いた。
「サル、最近何かあったのか?」
リーダーは尋ねた。世間話を彼が振るのは、珍しいことだった。
「何もない・・・よ?」
ルチルはおずおずと答えた。
何かあるな、とリーダーは勘付く。別にそれほど興味は無いけれど。
「リーダー、ぼく、ね」
「なんだよ」
ルチルは、精一杯の勇気を出して、言った。
「チーム、抜けたいんだ・・・」
作品名:【Livly】誰も知らない物語 作家名:夕暮本舗