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【Livly】誰も知らない物語

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リーダーの話


「あるところに、こわいモンスターがいました。
 モンスターというのは、むかしリヴリーだったいきもののことです。
 あいされなかったリヴリーは、だれかをつよくにくむようになったリヴリーは、
 おそろしいすがたのモンスターになってしまい、リヴリーをたべるのです。」


リーダーの名前は、『ノワール』といった。
黒という意味だが、本人はこのキザな名前を嫌っていた。だから、周りにはリーダーと呼ばせた。
ノワールにももちろん、飼い主がいた。
しかし、その飼い主は餌をやり、時々ノワールを「操作」するだけの至って遠い存在だった。
その指でなでられたことも、箱の外の広い世界を見せてもらったこともない。
けれどノワールは、まだその飼い主と出会って間もない頃のことを覚えている。
その飼い主は、昔は毎晩のようにその御伽噺をしてくれた。

「モンスターはかわいそうだからね。愛されなかったかわいそうなリヴリーだった彼らは、もう誰にも救えない。だから、君の手で楽にしてあげて。ノワール。」

幼いノワールは、飼い主の話を信じた。自分がそのモンスターを救ってやるんだと誓った。
しかし、その切り裂かれた体から流れ出す真っ赤な命の水を見たときには、決して後悔しないわけではなかった。
自分が血と共に何者かに染まっていく恐怖。
だんだんと離れていく飼い主の存在。
憎んだりはしなかった。モンスターなんかになりたくなかったから。
愛されてないと認めることにより、自分は魔物に変わってしまう。
そうならないために。
こうして、彼は、強くなった。