千年王国
彼は3ヶ月経ってから、いつもはしなかった自分の主人への気配を読み始めた。
いささか遅かったかと後悔したが、
でも、そんなことはないだろうと首を振った。
気がついたんなら今始めることが重要だ。
それをはじめてちょうど一週間目のお昼過ぎに変化があった。
いつものように、目を閉じて主人の気配を読もうとすると、
目の前に突然、純白のウエディングドレスで身を包み、花束を持っている女主人の姿が現れたのだ。
女性なら誰もがうらやむ美しい清純な姿に、一瞬彼は身をたじろがせた。
そして、理解もできなかった。
「え!?ぜ・・・ゼラス様!?」
そして、金目と目が合った。
「ゼロス、私の元にくるがよい。」
そういうと、彼は一瞬のうちに黄金の光に包まれていた。